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テーマ:DVD映画鑑賞(14202)
カテゴリ:オリンピックが好き
北京オリンピック開催まであとわずかですね。
私の中のオリンピック熱も徐々にヒートアップして参りました。 思わず新しく『オリンピック』のカテゴリーをつくってしまったほど(笑) で、昨日は以前購入したこのDVDを鑑賞してました。 『オリンピア』 監督 レニ・リーフェンシュタール コスミック出版 ヒトラー率いるナチス政権下、1936年に開催されたベルリン・オリンピック。 このDVDはその記録映画です。(最初に作品が公開されたのは1938年) 『民族の祭典』、『美の祭典』と2部作になっています。 この貴重な記録映像が、版権が切れているせいか 1本僅か500円で買えるというのがなんとも。 いい時代になりました(笑) 70年も前の白黒作品なので多少見ずらい部分があるし、 ちょっと『芸術面』が気になる部分はありましたが、 記録映像フェチにはたまらん出来でしたね。 『ヒトラーのオリンピック』と呼ばれたベルリン・オリンピックと、 それを記録した女流監督のレニ・リーフェンシュタールについてはひとまず置いといて、 純粋に選手たちの活躍と雰囲気を堪能してました。 かなり演出や後付けの撮影があるな~と思いましたが、 それが競技を盛り上げ、感動的な仕上がりにしています。 特にスローモーションの多用は、選手一人一人の筋肉の動きを追っていて、 あの当時でもこれだけの作品が出来たのかと唸りました。 ただ、選手個人の内面を描くような部分はありません。 良くも悪くも記録映画ということでしょうかねえ。 見どころは・・・ まずはベルリン・オリンピックの英雄、 (褐色の弾丸)ジェシー・オーエンス(米)でしょう。 100m、走り幅跳び、200m、4×400mリレー全て金メダル。4冠達成! 人々はこの黒人選手に熱狂しましたが、 白人優位の時代の終焉を感じさせるものでもありました。 ヒトラーの思惑がどうだったかはさておき、 有色人種の一員、我がニッポン選手もがんばりました。 三段跳び。 世界新記録16.00mで田島直人が金メダル獲得。 三段跳びでは、1928年アムステルダム、1932年ロサンゼルスに続いて 3大会連続の金メダル。当時の三段跳び勢は凄かった。 男子棒高跳び決勝。 大江と西田の2選手が、帰国後銀と銅のメダルを分け合ったのは有名な話。 ベルリン・オリンピックのハイライトとも言うべき5時間にも及んだ激闘でした。 (競技は夜に入っても続けられたため照明が不足し、 後日撮り直ししたという曰くつきのシーンです) ドイツの公式報告書には、『近代オリンピック史上まれにみる偉大な試合』と 書かれたそうです。 ・・・んん?? そういや肝心の『前畑ガンバレ!!』が入ってませんでしたね。なぜに?? 前畑さんは、ベルリン・オリンピック女子200m平泳ぎで優勝。 日本人女性初の金メダル獲得者です。 で、一番印象に残ったのがこの人。孫基禎選手。 大会の花、男子マラソンで見事優勝。日本に初めてマラソンでの金メダルをもたらします。 (というか、未だに男子マラソン金メダルは唯一この時のものだけ) でも、メインポールに日の丸が掲揚され、君が代が流れ祝福されても、 彼は悲しそうな表情をしています。 それは、彼が朝鮮半島出身者だったからなのですね。 (ちなみに銅メダルも朝鮮半島出身の南選手) 当時朝鮮半島は日本だったとはいえ、本当の民族名を名乗れないまま、 彼がベルリンで目にした日の丸・君が代には複雑な思いがあったのだと思います。 ただ、1988年ソウル・オリンピックの際に、 年老いた彼が聖火ランナーとして満面の笑顔でメインスタジアムに入ってきた瞬間を 今でも感動を持って覚えています。 ・・・とまあ、本当は他にも色々とあるのですが、 記録映像&オリンピックフェチとしては大満足の内容でした。 監督のレニ・リーフェンシュタールは、この映画を撮る前に、 ナチスの党大会の模様を記録した『意志の勝利』という作品を監督していました。 戦後はナチのプロパガンダを撮った監督として不遇の人生を歩み、 2003年にこの世を去るまで、その十字架を背負い続けたといいます。 蛇足・・・ そういやこれにも触れておかないといけないでしょう。 開会式、日本選手団の入場シーン・・・。 戦闘帽にネズミ色の制服は如何なものかと。 『それはまさにドブネズミの群れのようだった』 (『オリンピア』沢木耕太郎著より) 今度の北京は期待してますよ!(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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