だって好きなんですもの

８月１５日の終戦記念日は今年も過ぎました。

毎年この終戦記念日を過ぎると、何か区切りをつけさせられたような
感じを覚えることがあります。
それまでは盛んに報じられるマスメディアの『戦争モノ』の報道量も急激に減りますし。
戦争と平和について考える時間は終わりました。さて、次に移りましょう、みたいな。
お盆の連休も終わり気分一新、元の日常に戻っていく。

昭和２０年の終戦直後もそんな感じだったのでしょうか。
長く厳しい戦争はついに終わった。
８月１５日を境とし、死から生へ、絶望から希望へと大転換。
これで家に帰れる。元の日常に戻れる。
戦争の時間は終わり。これからは新たな一歩を踏み出す時間。
その日を生きるのに精いっぱいだったでしょうが、
大多数の国民は、恐らくそんな感じで８月１５日以後を過ごしていたのではないでしょうか。


ところが、そんな希望を無惨にも砕かれてしまった地域がありました。
ソ連軍が侵攻してきた北の大地です。

満洲、樺太（サハリン）、千島列島。
本土では空襲もなく、平穏な生活が再開されようとしていた８月１５日以降も、
北の大地では激しい戦闘が繰り返されていました。

シベリア抑留、中国残留孤児、北方領土問題などなど・・・
ソ連軍の侵攻は、後に重大な影響を及ぼしていきます。


その中で、樺太の真岡（ホルムスク）で起こった『北のひめゆり』の話が
今晩９時からＴＶドラマとして放送されます。

　　　日テレ　『霧の火　樺太・真岡郵便局に散った９人の乙女たち』　公式ＨＰ


２０歳前後の女性たちが、艦砲射撃を伴って上陸してきたソ連軍の迫る中、
一人でも多くの命を救おうと真岡郵便局の電話交換手として最後の瞬間まで職務につきます。
しかし、８月２０日。ついに９名の交換手が青酸カリを飲んで自決してしまいます。

　　　みなさん　これが最後です　さようなら　さようなら

これが最後の通信文だったといわれています。


沖縄の『ひめゆり部隊』はあまりにも有名です。
しかし、『北のひめゆり』についてはほとんど知られていないように思います。
どんなドラマになるのか観てみないと何とも言えませんが、
少なくとも北の大地での戦争について知るきっかけになればなと思っております。