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カテゴリ:本
今日は、元職場に本を買いに行ってました。
思ったよりお客さんが入っていて良かった良かった。 『敗走記』『白い旗』『姑娘』の3冊。(『総員玉砕せよ!』は購入済みのもの) いずれも水木しげる大先生が『ゲゲゲの鬼太郎』で成功する前の段階、 貸本マンガ時代の古い作品を復刻したもの。 収録内容 ■『敗走記』 敗走記 ダンピール海峡 レーモン河畔 KANDERE ごきぶり 幽霊艦長 ■『白い旗』 白い旗 ブーゲンビル上空涙あり 田中頼三 特攻 ■『姑娘』 姑娘 海の男 此一戦 奇襲ツラギ沖 戦艦『比叡』の悲劇 元が貸本マンガのため、原稿が既に失われているようで、 水木先生の手元に残っていた本をコピーして復刻したそうです。 このため、ところどころセリフの活字がつぶれ気味だったり、 かすれていたりしますが、そもそも絵柄が相当古いですから、 当時の雰囲気が味わえてよいなとポジティブに考えましょう。 で、収録内容のタイトル通り、 当時の少年たちが喜んだであろうカッコイイ戦闘場面を描いた作品が多いなか、 私的には、南方最前線で敵弾の下をくぐり抜け、 現地人との交流を持つという経験もした水木しげるならではの視点で描かれた 作品の方が良かった。 パプアニューギニア付近の島で、現地女性と結ばれカンデレ(同族)となるも、 哀しい結末が待っている日本兵の話(KANDERE)、 敵に向けて降伏の白い旗を振り続けるも味方に殺されてしまう話(白い旗)、 中国戦線で現地女性(姑娘)狩りをしたことによって、 女性共々運命を大きく変えられえてしまった日本兵の話などなど、 単に食べていくためだけに描いたのではないと思える作品が良い。 自身の体験、戦友・友人の話を元に構成されたこれらは、 実に貴重なものであると思いますね。 また、『敗走記』あとがきに以下の記述があり非常に気になりました。 南方というと、兵隊との混血児はいないと思っていたが、 戦後、ラバウルに行ってみると、かなりいる。 そんな驚きもあり作品にしてみたかった。 もっと知りたい。 もっと描いて欲しい。 水木しげる大先生の手元にはまだ数十冊の貸本マンガ時代の作品が残っているようです。 講談社様におかれましては、 速やかに順次文庫化されますよう謹んで申し上げる次第でございます。フハッ。 ちなみに水木しげる戦記マンガで一番のおすすめは『総員玉砕せよ!』ですね。 氏の、これだけは後世に残さねばならない、 という気持ちがビビビビビビビンと伝わってきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.13 19:53:34
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