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2004年12月02日
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村山由佳文学は、恋愛小説としてくくったら面白みが半減するぞ。そりゃあ、そういう要素が大きなウエイトを占めるのもまあ認めるけど、そこに惹かれるのではないんだよ。世界観とか、人生観とか、物語の深み、強さといったところに惹かれてるんだよ。

「翼~cry for the moon~」を読んで思ったのは、やっぱりこの人は描写が素晴らしいということ。心理描写しかり、風景描写しかり。「翼」において特に印象的だったのは、風景描写。雄大なグランドキャニオンの風景が、極彩色で目の前に広がるような、深遠で壮大な風景がありありと浮かんできた。色彩感が非常に豊富で、特に「銀色」という言葉の使い方が美しい。うまく際立っていて、一本の筋のようなものを文章に与えているように思う。

色彩といえば、こないだ読んだ「野生の風」の主人公の女性は染織家って設定だったな。これも凄く色彩感に富んでいて、こちらはアフリカだったけど、極彩色の風景が見えてくるようだったな。

翼と野生の風は似てるかもな。こう考えると。野生の風は、ものすごく登場人物が少なくて一本の話がゴリ押しで突き進んでく感じだったけど、翼はそこに人物の数だけのサイドストーリーを持っていて、それが物語全体に深みを与えてるように思った。どちらも、色彩感に富んでいて風景描写が綺麗ってところで共通している。

逆に、「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズや「天使の卵」なんかは心理描写が素晴らしい。もどかしさとか、せつなさとか、悲しさとか、怒りとか…まあそんなような感情が、見事に描写されている。前にも書いたけど、「オトコゴコロ」が分かってるような気がしてならない。

まあそんなわけで、村山由佳の作品は、恋愛小説などとくくるのはもったいなさすぎるし、ましてや性愛小説などではない。もっと「凄く普通の物語を読ませる」作品だと思う。どこにでもありそうで聞いたこともないような、そんな話だ。

さて、そんなわけで、「翼」でひと段落つけたいので、読み終わったところで今日、生協の本屋で「雪国」(川端康成)を買った。「国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国であった」という始まりの文句はあまりにも有名。読んだことはなくてもこれを知らない人はおるまい。知らないやつがいたら、そいつはきっと非国民だ。でまあ、高校生にもなって雪国も読んだことないんじゃねぇ…というわけで、今日は「雪国」。こいつはなかなか厄介かもしれない。文章自体は平易だし、会話やらなんやらも読みやすい。しかし、言葉が洗練されすぎてて、「さらっと」読めない。一言一句逃さずに読まなきゃならない気がして、遅々として進まない。でもさすがにこのぺらぺらなせいぜい150ページちょっとの作品で挫折するなどありえないので、頑張って読むことにする。この感覚は、三島由紀夫の「金閣寺」を読んだときのものに近いな。頑張ろう。

渋茶のつもりでね。お口直しってやつです。





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最終更新日  2004年12月03日 00時54分31秒
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