藤原直哉さんのお話を聴いてきました
藤原さんが毎週発表している「ワールドレポート」をかれこれ10年近く愛読していますが、お会いしたのは今日が初めてです。これからの日本の進む道は観光と農業であると、現在の政府に提言したのが藤原さんたちのグループだそうです。経済に詳しい方として知っておりましたが、農業に対する考え、知識もまた大変豊富なことに驚きました。また想像していたよりも気さくでユーモアのある方で、あらためて素晴らしい人だと思った次第です。さて、その農業の話題で面白いことを聞きました。「有機農法は外国産へ」有機農法が次第に増えてきていますが、従来の農薬をつかう農法にくらべて、手間がかかるのはよく知られています。ということは、有機農法は人件費の安いアジアの国、とりわけ中国で作ったほうが安く作れ、事実そういった動きはもう出てきているのだそうです。有機農法で作られる作物は「国産」だとばかり思っていましたが、経済の原則からするとこうなるのですね。あとひとつ。「作物は、その土地にあった作物を作るのが一番よく育つ」現在は農薬や、さまざまな肥料をつかうことによってどんな土地にも作物をつくることはできるそうです。これは、人間に都合よく作物をつくるという感覚。しかし本来は、その土地にはその土地にあった作物をつくるのが栄養的にも優れています。これは作物が育ちたいようにつくるという感覚。そんなわけで、私たちが普段口にしている野菜、果物等はかなり、人間の都合が入り込んだ食べ物となっているわけです。ほんとうに美味しい作物は、人間が細心の注意をはらい、作物の特徴,その土地の特徴をとらえ、それをうまく引き出して育てるということになります。これはどこか人材教育で言われていることとよく似た表現だなと思いました。人にしろ、作物にしろ育てるコツは同じなのでしょう。