先日の新聞で、「インドの詩聖・タゴール」という方について載っていました。
どんな人なのか、早速調べてみたところ…、
アジアで初のノーベル文学賞受賞者。
小説、戯曲、音楽、絵画、思想、哲学、教育…等々、あらゆる分野で才能を発揮。
設立した私立大学は、現在はインド首相が常に学長を務める国立大学となっている。
インド国歌の作詞作曲者としても有名。
だそうです。
もしこれを現在の日本でいうと、ある小説家が、作詞作曲もできて、国歌も作っちゃって、
劇の脚本も買いて、絵も上手で、哲学家で、大学も作って、その大学の学長は小泉首相、って
感じでしょうか?うひゃぁ~!考えられない!
インドにはそんなスゴイ方がいたんですね。全然知らなかった…。
新聞の一説にはこんなタゴールの言葉が書いてありました。
…幼いころ、彼は、知識を強制的に詰め込む学校になじめなかった。
こう述べている。
「教えることの主な目的は、意味を説明することではなく、心の扉をたたくことなのだ。」
うーん、いいっ!その通りだっ!…あっ、一人で盛り上がっちゃいました。すみません。
この「心の扉を『たたく』」ってところがいいですよね。開けちゃうんじゃなくて、あくまでも「たたく」。
自分の力で扉を開けるのを、じっと待ってあげている優しさを感じます。
それから「詰め込み教育」で私が思い出すのは、歴史の授業です。
「こんなに年号ばっか覚えて、将来何の役に立つんだ?」という不信感でいっぱいで、
まったく好きになれませんでした。
ところが。
大人になってから、ふと手にした「ベルサイユのばら」。そう、あの「オスカル~!!」です。
読み出したら、面白い、止まらない!
私はただのロマンチックな少女マンガだとばっかり思っていたのですが、
なんとフランス革命のお話だったのですよね~。
特権者のくだらない権力争いやエゴのために起こる戦争、そして、なんの罪もないのに
まきこまれていく民衆…。
そして、今でも世界の一部ではまだそんなことが続いている。
そんなふうに、「人間ドラマ」として学ぶ歴史と、「テストの穴埋めの回答」として覚えるだけの歴史とじゃ、
そこから学べるものも雲泥の差ですよね。
私が中学校の先生だったら、絶対、「ベルサイユのばら」を読ませます!
…ん?そんなこと、どうでもいいんですけどね。(^^;)
この、「心の扉をたたく」というのは、なにも学校だけじゃなくて、会社でも地域でも家でも
どこでも同じことが言えるような気がします。
気が付けばマニュアル人間ばかりが育ってしまった日本。
「ハンバーガー10個下さい。」の注文のあとに、
「こちらでお召し上がりですか?それともお持ち帰りですか?」と平然と聞いてしまう店員。
これも、詰め込み教育がいかに日本に充満しているかの現れなのでしょう。
心の扉を開くのは難しくても、コンコン、とたたいてあげられる人間になりたいものです。