サマーウォーズを観る
先日、スタッフの間で評判が良い、 「サマーウォーズ」を観に行きました。 昔、「インターネット」という映画を観て、将来こんなんなったらどうしよう?と思っていたんですが・・・・・確実に近づいていますね。そんな時代が。先週、うちで一番のパソコン使いの元スタッフ君が、ipodの最新機能を見せてくれたんですが・・・・写真を撮る画面を出してGPSを作動させると・・・(多分そういう操作と推測)・・・・普通の景色の上に、「ミスタードーナッツ」とか、「○×小」とか、「○○駅」とか、向けた方向にある施設の名前が出るのです!もーう、面食らったったらありゃしない。「最先端ここまできたか?!」と。そんな衝撃の後観たから、すごく怖かったです。普通なら危ない人がいても物理的に近づかなきゃいいわけですが、ネット世界が進むと、世界の運命を握るのがどこかのすごく頭のいい(だけの)もやしっ子だったりすることがありうる・・・こ、怖い。この映画はジュブナイルカテゴリーですが、確かにまず、「アバター」「アカウント」というところで挫折する中年続出でしょう。敵はAIなんですが、AIと聞いてすぐピンと来るかどうかも、かなり観客を選ぶんじゃないか、と思います。そんな、自分の世代属性を図るのにも役立つ映画かと思います。 映画自体は全体的に面白かったです。ちょっと引っかかったのが、おばあちゃんのすごさに説得力がない所。日本中のいろんな重職の人を知っていて電話する、というエピソードがありますが、ただ電話して励ましてるだけで、見ようによってはお節介なばあさんでしかない。事態が沈静化した後、おばあちゃんが亡くなった所に、お礼の電話や、相談の電話がきたりとか、「おばあちゃんてすごかったんだ!」と、どんどんわかって来ると面白い気がするんですが・・・。声の富司純子も、女優としては好きなんですが、90歳のおばあさんに、全然聴こえません。まだ女を捨ててない声になっています。全体的に、年配の人達の声に重みがありませんでした。おばあちゃんが亡くなって、ヒロインが号泣するのも、「そんなにおばあちゃんのこと好きだったエピソードあったっけ?」と、説得力がなくてもらい泣きできない。亡くなる前におばあちゃんが「私が勝ったら夏樹を頼む」というが、なんで主人公がそこまで気に入られたのかわからない。更に、普通は勝負に勝って女性を手に入れるものだが、負けるだけで手に入る、ってどうなの・・・・?というのもちょっと引っかかります。そんな、なんだか、さえない主人公が努力しなくても勝手にヒロインの許婚と認められたり、ヒロインが泣いて「手を握って!」と向こうから言ってきてくれて、本当、オタ男ご都合主義炸裂みたいなところもありました。が、ジュブナイル系だから仕方ないっちゃ仕方ないですか。最後に主人公が頑張るところはとてもよかったです。この監督は話題になった「時をかける少女」を作った人で、オタク世代(と、書いてて自分も入ってて胸が痛い)は、いい作品を世に出しても、その後続かないことが多く、バックボーンの脆弱さが目立つのですが、二作目もこのレベルに作っているところがこれから大いに期待できそうです。ジブリ亡き後(亡き者にすな)、誰が日本アニメを背負っていくのだろう?人気はあるけど、エヴァじゃないよねえ?と思ってましたが、「時かけ」「サマーウォーズ」と観て来て、作り手と作品に良心を感じました。この人達が経験と実績を積んでこれからの日本アニメ界を担っていって欲しいなあ・・・と希望するのでした。これからの作品が大いに楽しみです。評価 ・・・・そういうわけで、私も楽天アバターを作ってみたんですが、人間しかない上に、服や髪型をわざわざ購入しないといけないとは・・・・。とりあえず元からある絵にしたら実物とかけ離れました。