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先生のラグビー日記

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2009.04.07
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カテゴリ:仕事

春休み最終日。明日への準備に専念したいところだが、僕の勤務している町は、毎年この日の午後に全小、中学校の教員を招集して「研修会」を開いている。

町の教育方針の説明とか。教育長挨拶、町長挨拶などがすんだ後に講演会。今年は元総合教育センター所長先生の講話。

話の内容はさておき、気になったことが。彼は「慶應義塾の塾長を務めた小泉信三の長男信吉は、昭和17年に『特攻隊』で戦死した」「彼はそれを悼んで、次のような文章を残した」云々と話をした。大部分の先生たちは、戦争によって肉親を奪われた父親の悲しみと戦争の悲惨さを感じ取ったようだった。

 さて、これのどこに気になるようなことがあるのか。まず、昭和17年には狭義の「特攻隊」、つまり、生還を期さずに爆弾を積んだ兵器もろとも体当たりするための部隊は存在しない。第二に、小泉信吉は、海軍に志願(それも太平洋戦争が始まる前)したのであり、強制的に戦争にかり出されたわけではない。第三に、これは信吉が出征するときに手渡した手紙である。さらに…言い出すときりがないからこれだけ言っておくが、小泉信三は共産主義を批判し、東宮参与を勤めた保守体制の象徴とも言える人物であった。

 話者の先生が引用した手紙も、これだけの予備知識があると、受ける印象が全く異なってくる。つまり、父信三は、息子が自分らしく精一杯生きようとしていることに誇りを持っている、だから憂いなく思う存分信じた道を進め、と伝えているのである。

僕の言いたいこと。「話を引用するときには、その背景くらい把握してからにしなさい。少なくとも『海軍主計大尉小泉信吉』くらい読破してから話しなさい。」なんだか、格好悪かった。

 






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Last updated  2009.04.07 22:53:27
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