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2007.10.28
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昨日、名古屋能楽堂で開かれた、狂言三の会の公演会に行ってきました。

日本の伝統芸能である「狂言」と

スペインの伝統芸能である「フラメンコ」が同舞台で上演されました。

名古屋の能楽堂で、フラメンコが踊られるのは、初めてのことだそうです。

前半は、津軽三味線、和太鼓、尺八などの和楽器にフラメンコ・ギターが加わり、

非ヨーロッパ系の音楽とリズムが重なるというという何とも不思議な融合の世界。

このふたつの芸能、その起源の詳細ははっきりとしていないそうですが、

今の形が出来上がったのが、どちらも16世紀後半という歴史的年代、

そして庶民の喜怒哀楽を表現しているというふたつの相似点があるそうです。

エネルギーを外に出すことで表現するフラメンコに対し、

狂言はその逆、そぎ落とされた少ない動きの中に

多くの思いを込める狂言の表現の仕方の違いが印象的でした。

 

同伴した小5になる息子は、思いのほか楽しんだようで、

中でも「()和布(かめ)」(和泉流にのみ古くから伝わる珍目だそうです)は、

思い返しては笑い、思い返しては笑いを繰り返し、

迎えに来てくれた夫に、自分が理解したあらすじを一生懸命に説明しておりました。

台詞がきちんと狂言調になっていました(笑)

 

ところで、今回も上演された「蝸牛」、

その中の「でんでんむしむし」の台詞は、童謡「かたつむり」の歌詞にも登場しますが、

「でざかまうちわろ」の台詞は、こどもたちとぐるぐる回りながらうたった

わらべうた「でんでんむし」の「でなかまぶちわろ」の部分にそっくりです。

ある時代に生まれた文化が伝承されていく過程で、

時にはその形を変えて広がって行く、

600年も前に庶民の中から生まれたものが今の私たちに繋がっている、

緩やかな大きな流れを感じた時間でした。

 

休憩時間に、野村小三郎さんの奥様と

少しだけお話させていただきました。

小さな子どもたちと、母親のための狂言会の企画、

実現できれば、本当に素晴らしいですね。

 

こどもたちには、本物を感じ、楽しむ力があります。

それを麻痺させてしまわないように、

そして伝承の流れを塞き止めることのないように、

私たち大人には、次の世代へと伝承していく責任があるのではないかと思います。

 

こどもには、こどもだましじゃない本物を。

おとなには、その場しのぎじゃない本物を。

 

 

 






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Last updated  2008.04.02 22:42:42
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