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日本舞踊五條流の理事、五條園美先生がお寺にいらっしゃいました。 来春の企画の打ち合わせです。 五條園美先生は東京・国立劇場や名古屋能楽堂で 催される舞台に度々出演され、 名古屋での数会場のほか、東京・西日暮里にある稽古場でも、 日本舞踊教室を運営されています。 長年日本舞踊の普及につとめていらっしゃる人生の大先輩です。
このような機会をいただいたことで、 今まで、日本人として何を学んできたのだろう?と自問しました。 私自身は、自分の住む国について、その文化について、 知らないことが多すぎて、お話になりません! というレベルなのですが、それでも日本の文化が大好きです。 知らないからこそ、世代を越えて伝えていって欲しい、 伝えてもらいたいという思いが、強いのかもしれません。 そして、そのために私は何ができるのだろう?と考えていました。
文化というものは、深いところに流れていて、 普段の生活では実感することは少ないかもしれませんし、 「日本の文化」といわれるカタチあるものには、 触れる機会も少なくなってしまったものもたくさんあります。 ただ、深いところに流れている分、 耳を澄ましたり、目を凝らしたり、香りを感じたりすると きちんと生活の中に息づいていて、 そのアンテナを立ててさえいれば、いつも身近にあるものだともおもうのです。
少しズレるのかもしれませんが、 先日、落語を鑑賞したとき11歳の息子は、何故か狂言の台詞を思い出し、 「蝸牛」にでてくる「でんでんむしむし・・・」の部分を突然唱え出しました。 彼の中では、同じものが流れているのかもしれません。 それを感覚で感じ取ることができる頃にぜひいろいろなものに、 触れさせてあげたいとおもうのです。 心も身体もやわらかい子どもの頃に自分の育つ国の文化、 それも本物に触れる機会を沢山持って欲しいとおもいます。
五條先生の来山は、いつものことながらいろいろな方のお力添えと、 不思議なご縁の積み重ねで実現しました。 このご縁を繋いでくれた友人には、とてもとても感謝しています。 五條先生とお話させていただいた、笑いに溢れた時間の中には、 その畑で生まれ育ち、伝えたい思いを長い間熟成させ、 次の世代に語りかけてきた人の深くて鋭い言葉が詰まっていました。 その大きさと温かさを肌で感じ、先生の背中を見送くらせていただきましたが、 その後姿の美しさといったら! この方も、80代まででんぐりがえしを難なくこなしてしまうかもしれません。
そして私といえば、普段いかに緊張感を持たずに暮らしているか、 自分の無作法さが身に沁みたのでもありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.12.05 20:11:41
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