食草から見た蒲郡の蝶のその8はアカシジミを取り上げます。下の写真は五井山の頂上入り口(パラグライダーの滑走路があるところ)付近にあるコナラ林にさがらの森(右側)と五井山頂上(左側)で撮ったアカシジミを貼り付けて作りました。
アカシジミ完成図 posted by (C)ドクターT
アカシジミの食草はクヌギ、コナラ、ミズナラ、ナラガシワ、カシワ、アベマキ(以上は落葉樹)、アラカシ、ウラジロガシ(常緑樹)などのブナ科とされています。
アカシジミ─コナラ分布図 posted by (C)ドクターT
蒲郡に自生しているブナ科はコナラ(最も普通にドングリの生る木です)が最も多く、蒲郡市内の山と林には何処にでもあると言ってもよいでしょう。クヌギとアベマキはあるところにはありますが、コナラほど多くはありません。カシワ、ナラガシワは自生しているものはなく、神社やお寺、個人の庭などにたまに植えられています。安楽寺のカシワはフウランが着生しているので有名です。ナラガシワは西浦町の稲村神社の参道脇に1本だけあります。ミズナラは蒲郡には自生していないと思います。(ミズナラを好むエゾミドリシジミ、ジョウザンミドリシジミ、アイノミドリシジミなどが蒲郡にいないのはそのせいだと思います。愛知県北部にはミズナラが分布しています。面の木峠にはミズナラがあり、エゾミドリシジミを見ています。)常緑のブナ科ではアラカシは広範に分布しており、これはムラサキシジミの食草にもなっています。ウラジロガシは蒲郡では自生しているのは見たことがありません。2012年にさがらの森で初めてアカシジミを見つけて、それ以来気を付けて探すようになり、何カ所かで見ることが出来ました。さがらの森、五井山、遠望峰、三ヶ根山など蒲郡を取り囲む300~400m級の山の上にはたいていいます。そこにはコナラもありますが、少し他のゼフィルスのような山頂集積性があるのかも知れません。今、蒲郡でアカシジミの卵も撮影したいとコナラの木を見ると卵探しをしていますが、アカシジミの仲間のゼフィルス(アカシジミ、ウラナミアカシジミ、カシワアカシジミ)は産卵後に卵に木のクズや体毛などを塗り付けて隠す習性があるためか見つけにくくいまだに発見出来ません。そう言えばウラナミアカシジミもブナ科の落葉樹(クヌギを好む)を食べますので、蒲郡にいてもおかしくない種類です。三ヶ根山の山麓で1カ所クヌギが数本まとまって生えているところがあり気を付けて見ていますがそこではミズイロオナガシジミしかまだ見ることが出来ません。