食草から見た蒲郡の蝶のその78はクロツバメシジミを取り上げます。この蝶は準絶滅危惧種で、愛知県では新城市の2カ所で見られるのみです。しかもそのうちの1カ所は旧蓬莱町の天然記念物に指定され保護されています。そんな珍しい蝶が蒲郡にいるはずがないと言うのが本当のところです。この蝶は石垣などに生えるツメレンゲと言う多肉植物を食草とする変わった蝶で、残念ながらツメレンゲの自生地は蒲郡にはありません。でも蒲郡でもたまに他の多肉植物を植えている石垣のある家を見かけたりします。ツメレンゲは冬は地上部のほとんどが枯れて小さくなり、左下丸の中のようにロゼットを形成して春まで越します。春になるとまた大きくなって来て、秋に塔状の花を咲かせます。
クロツバメシジミ完成図 posted by (C)ドクターT
新城市池場の151号線沿いの石垣にはびっしりツメレンゲが着いている場所があり、以前ここで、小さなツメレンゲの株を2株もらってきて鉢植えで育てていたら、中から幼虫が2匹も出て来て蛹から成虫まで羽化したことがあり(右上の丸の中はその時の幼虫と蛹です)、びっくりして池場まで成虫を返しに行ったことがあります。
ツメレンゲ分布 posted by (C)ドクターT
さて、蒲郡にはツメレンゲが自生しているところはありませんが、時々ホームセンターでツメレンゲを売っていることがあります。写真の丸の中はサンヨネで一鉢¥200円で売り出していたので買ってきました。案外簡単に手に入る多肉植物ですので、家で育てているところがあるかも知れません。