食草から見た蒲郡の蝶のその84はホソオチョウを取り上げます。この蝶も外来種で、1978年に東京都で発見され、その後飛び離れた全国各地に拡がった蝶で移動能力はそれほど高くないので、人為的な放蝶(卵、幼虫の移入)によるものと言われています。数年前の5月に揖斐川上流へ山菜採りに行く途中に揖斐川の土手でウマノスズクサが生えている場所でフワフワ飛んでいるのを見つけて驚いたものですが、愛知県でも猿投の辺りで見つかっています。小型のアゲハチョウ科で原産地は東アジア一帯と言われています。♀はアゲハにもギフチョウにも少し似ています。
ホソオチョウ完成図 posted by (C)ドクターT
年に3~4回発生し、食草はウマノスズクサで繁殖力が強く、在来種のジャコウアゲハが圧迫されるのではないかと心配されましたが、今のところ生息地では両種が混棲しています。
ウマノスズクサ分布 posted by (C)ドクターT
ウマノスズクサは蒲郡では、西田川、落合川、拾石川の土手に生えています。その辺りはジャコウアゲハが毎年発生していますが、持ち込みによる移入はいつ起こってもおかしくない蝶と言えます。
私も家にウマノスズクサを植えようと思い、揖斐川堤から採ってきたウマノスズクサに多分卵か幼虫が着いていて持ち込まれたのでしょう。ホソオチョウの♂と♀が各1頭発生したことがあります。幸い羽化時期がずれていたために継続的な発生はありませんでした。もし蒲郡でホソオチョウが発生するようなことがあれば一番先に私が疑われるかも知れません。