さて、食草から見た蒲郡の蝶の最後に取り上げるのはムシャクロツバメシジミです。この蝶は本来日本に生息していない外来種ですが、2013年の秋から名古屋市西区新川河川敷で発生しているのが見つかり問題となり、駆除作戦も行われましたが、むしろ周辺に拡がる勢いを見せています。屋上緑化用に中国から取り寄せた植物(ツルマンネングサ)に卵が着いていたのではないかと言われています。現在この植物は新川の河川敷両岸に2kmくらいに渡って蔓延っています。(写真右丸の中)
ムシャクロツバメシジミ完成図 posted by (C)ドクターT
在来種のクロツバメシジミと似ていて、クロツバメシジミがツメレンゲやタイトゴメと言った多肉植物を食草としていて、この蝶もツルマンネングサと言う多肉植物を食草としているので、習性もよく似ています。そのためにもしこの蝶が在来種と出会うようなことがあると、混血種が生じて在来種が変化する可能性が考えられそれが駆除作戦の根拠となっています。しかし、見ると在来種のクロツバメシジミよりも黒点が大きくはっきりしていて可愛い蝶です。
マンネングサ分布 posted by (C)ドクターT
蒲郡にも何処かにツルマンネングサがあるのではないかと探して、全く同じではないようですが、西田川のコンクリート擁壁の隙間にその仲間が生えているのを見つけました。(右下丸の中)観賞用の多肉植物はホームセンターなどでよく売っていますし、水が無くてもよく育ちますので、逃げ出した多肉植物が石垣やコンクリート擁壁の隙間で増えることは今後もありそうです。
さて、これで食草から見た蒲郡の蝶を終わりとします。蒲郡で確認されている59種類に食草があり、近隣の市町で生息しており、古い分布図に載っているもの23種類と食草があっていつ入って来てもおかしくない外来種4種を加え、全部で86種類となりました。今後、これをまとめて1冊の本にしたいと思っています。(5月末には出したいと思います)