兵庫県でヒサマツと40年振りに再会することが出来、次の目標は地元でのヒサマツ探しとなりました。Jun T.君が地元で2年続けてヒサマツの写真を載せていました。それはほぼ同じポイントで、檜の木に停まっていました。 そんな折にMIYAKOUTAさんから静岡県の秋葉神社の辺りの山にヒサマツがいるらしいと言う情報をいただきました。矢も楯もたまらず、はっきりしたポイントも判らず、探索に出かけました。秋葉神社(上社)は屋敷の代参で3度ほど行ったことがあります。その林道の奥を、ゼフィルスがテリ張りしそうな場所を見つけては竿で叩くと言う根気のいる作業です。そしてR山に行きつきました。檜の木が何本か生えた開けた場所がありました。
ヒサマツミドリシジミ♂(2012.7.4 14時53分、静岡県浜松市) (5) posted by (C)ドクターT
そこで、檜の梢に停まるヒサマツを見つけました。多分この場所はJun T.君が2年続けて見たピンポイントの場所だろうと直感しました。ヒサマツがテリ張りするのはそんなピンポイントの場所が多いからです。10mくらいの高さに停まっていましたので、その時に持っていた300mmのレンズでは小さくしか写りません。急いで、車に戻り、デジスコを取って来て撮ったのがこの写真です。幸い写真を撮るまで同じ位置でじっとしていてくれました。その1分後には何処かへ飛んで行ってしまいました。その辺りにウラジロガシがないか探しましたがなかなか見つからず、車で5kmほど先に行った林道脇に3本ほど生えているのを見つけました。この付近にはブナの木もあって、その後フジミドリシジミも見つけています。
ヒサマツミドリシジミ♀(東三河) (1) posted by (C)ドクターT
そして、地元愛知県で見つけたのはそれから2年後のことでした。別の蝶を探して新城市へ行った時です。朝早く(午前7時49分)、緩やかな登山道を登っていると新鮮なゼフィルスが下草に停まっていました。写真を撮るとすぐに飛び立ってしまいましたが、表側の青とオレンジがちらりと見えましたので、AB型の♀だなと思いながら、この時にはまだヒサマツだとは気づいていませんでした。一番普通のミドリシジミかなと思っていましたが、あれっこの辺りにはハンノキがないぞと思い、帰りの車の中で画像を出して見直してみて裏のV字に気が付きました。愛知県でヒサマツを見つけた瞬間です。開翅写真は撮れませんでしたが、一応♂、♀をしかも地元で撮ることが出来ました。
一般にゼフィルスの♀は食樹からそんなに遠くへは行きません。その付近にウラジロガシがあるはずだと探していますが、まだ見つかりません。また♀は10月くらいまで、生き延びて渓流の陽だまりに吸水に降りてくることがあります。その登山道の横には小さな渓流がありますが、残念ながら木が鬱蒼としたところが多く、開けた場所がなかなかありません。
今年、医王山で44年振りに劇的再会をした滝先輩から医王山でもヒサマツが時々いることを聞き、またその近くでは神通峡にたくさんいるところがあることを聞きました。石垣島に移住した神奈川のUさんからも同じような情報をいただきました。これは来年以降調査したいと思います。