田淵行男 posted by (C)ドクターT
先日、テレビで稀代のナチュラリスト、田淵行男を取り上げた番組を放映していました。田淵行男(1905年~1989年)は鳥取の生まれで、1945年疎開をきっかけに安曇野に移り住んで、北アルプスを愛し、多くの山岳写真を残し、高山蝶の研究に一生を捧げました。中部の高山蝶9種類のすべての生活史を明らかにし、とりわけ常念岳には200回以上登って、そこに棲むタカネヒカゲをハイマツ仙人と名付け、普通の蝶が長くとも1年が発生のサイクルであるのに対して、2年をかけて発生することを明らかにしました。
田淵行男の集大成「日本アルプスの蝶」(1979年、学習研究社)を日本の古本屋で買って読むと、その高山蝶に対する愛着と真摯な研究態度がよく解ります。私も日本土着の蝶、全種類の撮影が終わると、もう少し専門的に特化した分野に進みたいと考えていますが、迷蝶に進むか、高山蝶に進むか、ゼフィルスに進むか、未だに決めかねています。一度安曇野にある田淵行男記念館に行ってもう少し氏の爪の垢でも飲んで来ようかと思っております。
タカネヒカゲ(常念乗越) (2) posted by (C)ドクターT
これはボケていますが、田淵行男氏がフィールドとした常念乗越で蝶ケ岳を背景に飛ぶタカネヒカゲです。
タカネヒカゲ(常念乗越) (6) posted by (C)ドクターT
これはタカネヒカゲの生息する環境です。細いスゲのような植物が食草だと思います。