Try! Nature Watching! (since 2006.8.14)
< 新しい記事
新着記事一覧(全7493件)
過去の記事 >
ハワイアイアンマンを完走した堤貞一郎先生 posted by (C)ドクターT
熊本の堤先生は創意工夫に富んだ心臓外科医でした。熊本で病院を開設して、心臓の独創的な手術にもチャレンジする一方で、趣味のランニングでは日医ジョガーズの産みの親となります。その独創性はそこでも発揮されました。マラソンの段級位を考えたのです。30歳を超えるマスターズのランナーが目標とするのは10kmを自分の年齢と同じ分数で走れるかどうかで、自分の年齢と同じで走れればマラソン初段、それより1分速ければ2段、遅ければ1級と言う具合です。私は今65歳ですから10kmを65分で走れれば初段と言う訳です。確かに35歳の頃には35分台で走っていましたが、今は60分を切るのは難しくなっています。毎年三河湾健康マラソン10kmの部で初段が取れるかどうかが目標となっていました。 堤先生は日本でまだ始まっていなかったトライアスロンにもチャレンジします。熊本CTC(クレージートライアスロンクラブ)の会長となる永谷誠一さんとともにハワイアイアンマンに挑戦しました。その頃、皆生温泉の旅館組合の人が、何か新しいイベントを作って観光の目玉にしようと言う話が出て、日本ではまだ行われていなかったトライアスロンに注目しました。そして、堤先生と永谷さんがハワイアイアンマンに挑戦したと言う話を聞きつけて、アドバイザーとして迎えました。1981年8月2日、日本で初めてのトライアスロンが53名の物好きを集めて行われました。 悲劇が起きたのは第3回(1983年)大会の時でした。2kmのスイムの途中で、日本初の事故が起きたのです。それも堤先生ご自身(当時59歳)が溺水され、助け上げられましたが、意識不明となり、その後意識が回復することなく、約5年後に転送先の熊本地域医療センターで心不全のため死去されました。私がトライアスロンに初めて出場したのは1984年の第1回串本トライアスロンですから生前に先生とお会いする機会はなかったのですが、その勇名は伝え聞いていました。 その後、JTUの役員、メディカル委員長となり、大会中の事故の原因とその対策についての研究に携わるようになり、泳げる人の溺死の原因について、いろいろなケースがあることが解ってきました。意識を失うような突然の内因性疾患の発症以外にも、低水温による迷走神経反射、錐体内出血による急性平衡失調、海水誤嚥後の急性肺水腫、過換気症候群、パニック症候群などなどです。今年、残念なことに皆生の第35回大会で、同じ愛知県の外科医が溺水で亡くなりました。まだスイム事故をなくせないのかと堤先生に怒られそうです。私が、皆生トライアスロンに出たのは第20回の記念大会の時でしたが、この時には永谷さんも一緒に出ていました。残念ながらバイクの途中でワラビを採っていたためにマラソンの途中で時間切れとなり完走出来ませんでした。来年は原点に帰って、皆生トライアスロンに出て、スイム事故防止について考えてみたいと思います。
この文章は星空文庫「レクイエム」で公開中です。
今日は長良川国際トライアスロン出場( ^)o… 2020年10月18日 コメント(2)
3種目同時進行( ^)o(^ ) 2020年09月06日
とびうお杯( ^)o(^ ) 2019年08月04日 コメント(2)
もっと見る
PR
フリーページ
コメント新着
お気に入りブログ
キーワードサーチ
カテゴリ
プロフィール
ドクターT9323
わたしのブログへようこそ
カレンダー
バックナンバー