ルソンを採集して喜んでいた西表島白浜で、女房が『この蝶は何?』と呼びます。私とUさんがその場所へ駆けつけて見るとサンダンカの周りをヤマトシジミくらいの小さな蝶が纏わりつくように飛んでいました。近くでヤマトシジミ南西諸島亜種とヒメシルビアを見ていた私は『あ~、それはヒメシルビアだよ。』と答えましたが、同じ木の周りにいつまでも纏わりついているのは変だなとも思いました。
いつまで経っても、飛び回っていて停まらないので、仕方なく確認のために高速連写をしてみました。初見の蝶でした。纏わりついていたサンダンカにはカイガラムシがびっしりとついていました。そこでようやく追い求めていた迷蝶、シロモンクロシジミであることに気が付きました。
その時に、停まっても写真を撮ることの難しい表翅の写真も撮ることが出来ました。後はこの蝶の面白い人面蛹を探すことです。
カイガラムシの着いているこの木を隅から隅まで探しましたが、人面蛹は見つかりませんでした。見つかったのは孵化した卵の抜け殻ひとつでした。その後何度かこの場所を見に行きましたが、今年はカイガラムシさえ着いていません。シロモンクロシジミは2002年以降西表島で増減を繰り返して継続発生しているそうですが、ゴイシシジミ同様肉食性の蝶ですので、カイガラムシの発生に左右され、場所も何処に出るか判りません。人面蛹の観察は懸案の課題として残りました。