大会中止の決断 トライアスロン大会の募集要項には荒天の場合の競技の変更・中止の可能性が必ずうたってあり、万一大会が中止になってもエントリー費用は返金しないことが書かれています。JTUの大会運営規則では各種警報発令の場合原則大会中止、各種注意報発令の場合はスタート1~2時間前に開かれる大会実施検討委員会(その構成は大会実行委員長(主催者代表)、レースディレクター、技術代表、審判長、医療部門統括責任者など)において検討して決定することが書かれています。こうしたルールが出来たのは過去の苦い経験(事例)があるからです。1987.7.12 第3回あらさとタフネスマントライアスロン大会(宮古島トライアスロンが始まってから行われるようになった地元のローカル大会)で、Kさん(選手)、Fさん(救助船救助員)の2名が水死。台風接近で高波があり、波浪注意報発令中、湾内だからということで大会を挙行し、引き潮(大潮)で湾外に流され高波に飲まれる。救助にいった救助船も転覆した。(TJ誌3(10),p31-33,1987)この事故の後、大会主催者の気象状況に対する判断の重要性が言われるようになり、大会1時間前の実施検討委員会が義務付けられ、いくつかの大会でスイムを中止したり、短縮したり、コース変更したり、場合によっては大会そのものが中止されたりするようになりました。私が参加した大会でも2015年の宮古島トライアスロンでのスイム競技の中止や波崎の日本選手権でのスイムコースの変更などがありました。石垣島でも2015年にはスイム中止でデュアスロンに変更されたことがありますが、スタート直前になっての大会の完全中止はワールドトライアスロン in 広島と今度の石垣島トライアスロンの2回だけではないでしょうか?当日はスタート1時間前に雷も鳴る暴風雨となり、最初に1時間前にスイム競技の中止が発表され、デュアスロンへの変更が示唆され雨をしのいでブルーシートをテント替わりにみんなで持って次の発表を待っていましたが、スタート20分前に大会の完全中止が発表されました。雨でバイクでのスリップ転倒事故は予想されますが、一番の決め手は雷が鳴っていたことでしょうか?万一大会を決行して選手が雷に打たれて死亡事故など発生したりすれば、大会の管理責任を問われるのは間違いないでしょうから、賢明な苦渋の決断であったと思います。その日は1日中雨でしたが、雷はスタート予定時間前後だけでしたので、何もせずに帰るのは悔しいのか午後バイクコースを回っている選手は何人か見かけました。 スイム中止発表後 posted by (C)ドクターT