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テーマ:思うこと(3070)
カテゴリ:食品
© Diamond, Inc 提供 コンビニオーナー匿名座談会、本部はオレたちの声を聞け!
『週刊ダイヤモンド』6月1日号の第1特集は「コンビニ地獄」です。加盟店オーナーの負担がにわかにクローズアップされたことで、本部はさまざまな軽減策を打ち出してきました。ですが、オーナーの不満はまだまだ渦巻いています。彼らの本音を聞いてみました。(本記事は特集からの抜粋です) ――コンビニ加盟店の負担がかつてないほどクローズアップされています。皆さんは何を負担に感じ、本部の対応をどう思っているか聞かせてください。 A氏 4月に就任したセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)の永松文彦社長は、「既存店への投資を強化し、新規出店を抑制する」と記者会見で発言しました。ところがその1週間後ぐらいに、本部社員が私の店に来て、「近隣の2ヵ所で、新たな出店を考えている」と言ったんです。 B氏 いわゆる「ドミナント方式」(特定のエリアへの集中出店)ですね。 A氏 ええ。過去にも周辺で2店舗、セブンに出店されて、月の売り上げが10万円ほど下がりました。今回の出店についても、本部から納得のいく説明はありません。住宅ローンを抱えていて、大学生の息子もいるので不安です。 B氏 私もかつて、開店して3年目に本部社員から「利益が出ているし、法人化されたらどうですか?」と勧められ、社会保険にも入ったんですけど、その途端にセブンにドミナントされた。すぐに赤字になって3年間我慢したけれど、あと数ヵ月で厚生年金の加入期間が20年になるのに、諦めて再び個人経営に戻しました。人生設計が狂いましたね。 ――ドミナント方式が加盟店の経営に打撃を与えるのですね。 C氏 ええ、ファミリーマートでもドミナントはやりますよ。私は数百メートル先にファミマに出店されて、50万円はあった日販が35万円に一気に落ちた。この店のオーナーに会ったら「日販が25万円しかない」と言っていて、彼もいわば被害者でした。数年後に撤退してしまいましたけどね。ローソンはどんな感じですか? D氏 私の店がある繁華街に近い住宅密集地では、ローソンだけではなく、セブン、ファミマとイオンのミニスーパー「まいばすけっと」が入り乱れて出店攻勢をかけ合っている状況が、最近ようやく落ち着きました。ですが、4チェーンで客や従業員の奪い合いは続いています。ローソンは、1人のオーナーに複数の店を経営することを勧めています。ただし、売り上げが低くオーナーが辞めたらしい店を、本部から「経営しませんか?」と言われることがありますね(苦笑)。 B氏 それは苦しい(笑)。 今なお続くドミナント 人手不足で恐怖の従業員ドタキャン C氏 ファミマは、最近は新規出店を抑制しています。ですが都心では、かつて合併したサークルKサンクスやampmから看板替えしたファミマの店舗同士で競合して苦しんでいるオーナーが多いと聞きますね。 B氏 セブンなんて、5月に入ってもまだ私の店の近隣に出店すると言っていますから。商圏分析した結果を見せろと本部社員に言っても、見せてもらえない。怒りが収まりませんよ。 ――ドミナントの他に、本部に訴えたい負担はありますか? A氏 仕入れですね。10年ほど前にドミナントで売り上げが下がると、本部は「オペレーション支援を強化します」と言う。で、何をするか。仕入れをがんばれ、がんばれと言う。言われた通り商品を仕入れて、当時は月に70万円ほど廃棄を出していましたね。 B氏 セブンの本部社員はみんな、判で押したように「機会ロス(売り逃し)を恐れてはいけません。廃棄は投資です」って言いますからね。 D氏 「廃棄は投資」(笑)。セブンはすごいですね。私は過去に本部に言われて大量発注し、売れ残った商品については、再び「(注文を)取りましょう」と言われても「過去のトラウマがあるから嫌だ!」と言って断ります。最近のローソンでは、無茶な発注要請は少なくなりました。 C氏 ファミマはセブンほど強硬ではないですが、最近は仕入れの要請が強まっているように思います。それでも、ローソンのようにミステリーショッパーが厳しく店をチェックするわけではないので、3社の中では相対的にファミマが一番、本部の締め付けが緩いと思います。 ――従業員は十分に確保できていますか? B氏 厳しいですね。私の店のエリアの最低賃金は800円台半ばですが、900円台にしても来ない。深夜の割り増しで1300円にしても、それでも来ない。 C氏 コンビニの業務自体が複雑化していますからね。レジ操作を間違えると、客に怒られる。コンビニの仕事はそういうものだと、若者に敬遠されています。 ――外国人従業員はどうですか? B氏 かつて働いてもらったことがありますが、やっぱり日本語が十分に分からないので、例えばコピー機の使い方を客に尋ねられても、うまく説明できず困ってしまう。そういうトラブルが何度かあって、長く続きませんでした。 A氏 日本人従業員でもドタキャンはよくありますよ。私が自宅で、深夜にさあ寝られると布団に入ったところで、スマートフォンがブルルッと鳴る。恐怖ですよ。従業員から「これから出勤できません」と言われたら、自分で着替えて出ていくしかない。 C氏 深夜に連日シフトに入って睡眠不足が続くと、本当に骨身にこたえますね。両手両足がしびれて、シャツのボタンを自分で留められないことがありました。 A氏 私も血圧が最大で180まで上がって、薬を飲むようになりました。いつも脳出血で倒れる恐怖を感じながら店に立っています。 ――本部は3社とも、4月に発表した行動計画で、セルフレジを導入し、省人化によって店舗の負担を軽減すると言っています。 A氏 あんなの意味ないですね。万引が増えるだけです。 B氏 私の地元では「かごダッシュ」をされるんですよ。暴走族の1人が、店内でかごに商品を入れて、会計せずに外に出る。待っていた他の仲間のバイクの後ろに乗って、そのまま逃走するんです。田舎のコンビニなんて、そんなもんですよ。ビジネス客ばかりが集まる都会の店とは違うんです。 D氏 有人レジでさえ万引されるのに、無人になればなおさらですね。防犯カメラに犯行が写っていても、警察に通報すると、被害届を出すための調書を取られるのですが、6~7時間もかかるので仕事にならない。大抵は泣き寝入りするしかない。 C氏 しかも、万引された商品分の原価は加盟店負担で、本部の懐は痛みません。セルフレジで、何が負担軽減かと思いますね。 ――ファミマとローソンは、QRコードなどキャッシュレス決済への対応を進めています。現金と比べ、業務は省けませんか? C氏 あれね、例えばLINE Payで決済しても、レジ側でPayPayのボタンを押せば、精算できちゃう場合があるんですよ。その後で気付いても、取り消しができないんです。 B氏 クレジットカードの取り消し作業も恐怖ですよね。パニックになりますよ。 ――行動計画や一連の問題を受けた本部の対応で、期待できる面はありませんか? A氏 ないですね。1ミクロンもない。結局、チャージの配分比率を変え、加盟店の取り分を増やす内容が一切含まれていなかった。 B氏 自分や従業員が社会保険に加入できて、普通に生活費を稼げる。そこに一歩でも近づく内容だったらと期待していたんですけどね。結局は、経済産業省やマスコミに向けた、その場しのぎの内容でしかなかったと思います。 -ダイヤモンド編集部 2019/05/31 06:00 より一部抜粋- 本部の本音は自社が儲かればよい(でしょうね。コンビニの本社は大きくなっています) フランチャイズ方式は本部にリスクが少ないのでしょう (「廃棄は投資」仕入れの注文を取りましょう。と言うことが変でしょう) 食品ロスが言われる時代に・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.06.01 13:00:09
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