逃亡者 [ 中村 文則 ]
内容紹介(出版社より)
「一週間後、君が生きている確率は4%だ」
突如始まった逃亡の日々。
男は、潜伏キリシタンの末裔に育てられた。
第二次大戦下、”熱狂””悪魔の楽器”と呼ばれ、ある作戦を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。あらゆる理不尽が交錯する中、それを隠し持ち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした「約束」があったーー。
キリシタン迫害から第二次世界大戦、そして現代を貫く大いなる「意志」。中村文学の到達点。
信仰、戦争、愛ーー。
この小説には、
その全てが書かれている。
いつか書くと決めていた。 --中村文則
内容紹介(「BOOK」データベースより)
「君が最もなりたくない人間に、なってもらう」第二次大戦下、“熱狂”“悪魔の楽器”と呼ばれ、ある作戦を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。あらゆる理不尽が交錯する中、それを隠し持ち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした一つの「約束」があったー。キリシタン迫害から第二次世界大戦、そして現代を貫く大いなる「意志」。中村文学の到達点。
こちらは、中日新聞、東京新聞、北海道新聞、西日本新聞、徳島新聞の朝刊で連載されていたものを加筆修正されたものです。
私も朝刊で途中まで読んでたんですが……
途中で挫折しまして。
なんせ、お休みの日は新聞読んだり読まなかったりなのでね。
気が付いたら何回か読み飛ばしてまして、単行本が出るのを待っていた次第です。
読んでみたら、最初のエピローグみたいな辺りまでしか読んでなかったみたいで。
ちゃんと読むべきだったなーと、今になって反省しました。
流石の中村さん。
絶望を書くのがお上手。
というのか、本当に気持ちが暗くなります。
なので、後半のちょっと希望の持てる展開に、うっかり涙したりしたんですが。
あー……
そうだよね。
やっぱり、そういう流れのまま行くわけはないんだよね。
と、また引き摺り戻されるっていう。
最近の世の中に、チクチクと釘を刺したりなさってて。
やっぱり、このままじゃいけないんだよなと思った瞬間にね。
やっぱり、希望よりは絶望を感じることを書かれたりしてて。
昔から歴史は繰り返しているだけなんだなーと、諦めみたいなものまで感じたくらいにして。
それは、止めようとしたところで止められないものなのか。
頑張ったところで敗北は決まっているのか……
これ。
今の、「誰の操り人形なの?」って毎度思ってしまうような、暗ーい顔した首相とかが読んだほうが絶対いいと思う本です。
原爆の描写。
戦争の残酷さ。
そういうの分かっているのなら、あんなミスはしないんじゃないかなーと思うんですけどね。
あと、見たくないものにはなるべく蓋をしてしまう人とか。
遠くに置いておいて、見て見ぬふりをしたくなるのは、わからないでもないですが。
けど、そのままにしておいて、あとから「話が違う」は通らないですよって。
やっぱり、ちゃんと見て、ちゃんと考えたほうがいいんじゃないかなーと。
そんなことを思ったりしました。