2020年の恋人たち (単行本) [ 島本 理生 ]
内容紹介(出版社より)
ワインバーを営んでいた母が、突然の事故死。落ち着く間もなく、店を引き継ぐかどうか、前原葵は選択を迫られる。同棲しているのに会話がない恋人の港、母の店の常連客だった幸村、店を手伝ってもらうことになった松尾、試飲会で知り合った瀬名、そして……。楽しいときもあった。助けられたことも。だけどもう、いらない。めまぐるしく動く日常と関係性のなかで、葵が選んだものと選ばなかったものーー。直木賞受賞後長篇第一作。
内容紹介(「BOOK」データベースより)
出会って別れて、また出会ってーあと死ぬまでに何度繰り返すのだろう。ワインバーを営んでいた母が、突然の事故死。落ち着く間もなく、店を引き継ぐかどうか、前原葵は選択を迫られる。同棲しているのに会話がない恋人の港、母の店の常連客だった幸村、店を手伝ってもらうことになった松尾、試飲会で知り合った瀬名、そして…。めまぐるしく変化する日常と関係性のなかで、葵の心は揺れ動いていくー。
久しぶりに図書館へ行ってきました。
そして、久しぶりの(そうでもない?)島本さんの長編小説です。
面白かったー。
あっという間に読んでしまいました。
なんだかこういうのって、書いてくださってることを考えると、あっという間に読んでしまうのは勿体ないような気もするんですが。
それはまあ、しょうがないというか。
コロナ禍以前のお話で、新型コロナの流行はないこととして書かれているのかと思ったら、そうなる前のお話だったんですね。
最近になってようやく感染者数が落ち着いてきた感じですが、飲食店は完全に元に戻るにはまだかかるのかなーと。
こういうお話を読むと、普段あまり外食しない私も、その大変さに気付いたりしますが。
それは都会になればなるほど…なんでしょうね。
それにしても、あまりに自分が居る世界とは別の世界のお話で。
葵が瀬名さんに連れられて業界人がよく集まるお店に行った場面で、「業界の人って、洋服を羽織るみたいに業界人っていう自意識を着てるな、って思って。一目見てすぐ分かるのって不思議ですよね」っていう葵の言葉になるほどーと唸るというのか。
私はそういうお店には行ったことが無いし、そんな業界人に会うようなこと自体あり得なかったりするので、そんな感じなんだろうなーと想像するだけなんですけど。
葵が幸村さんに感じた嫌悪感は、言われてみて『あー。なるほど』って感じに気付いたって言うのか。
自分のことをモノとして扱う、若い女の子ってだけの存在みたいに扱われるのは、やっぱり気持ちのいいものではないですし、バカにすんなって言いたくもなる。
自分がそういう存在だった時には受け流していたんだろうそういう感情は、今になってみると改めて怒りに変わったりしますね。
と、まぁ…
とりとめもなく書いていますが。
なんだか、色々なことを考えさせられたお話でした。