正欲 [ 朝井 リョウ ]
内容紹介(「BOOK」データベースより)
生き延びるために、手を組みませんか。読む前の自分には戻れない。作家生活10周年記念、気迫の書下ろし長篇小説。
朝井リョウさん、作家生活10周年記念作品。
以前読んだ『スター』は白版で、こちらが黒版ってことですね。
スター
いやー…。
何故なのか、読み終わったら涙が出てきました。
凄い本です。
自分の弱さ…っていうのか、自分の本質みたいなところにグサグサと刺さりまくりでして。
自分は普通なんだって思えるために、多数派の意見を探る…なんて、普通に自分はしてたよなって思えてしまって。
正しい欲かー…。
それが本当に正しいかなんて、誰にも分らないのにね。
不安になるから探りを入れて。
少数派は排除する…みたいなところ、自分の中に確実に存在するし。
『多様性』を受け入れない考えに、それってどうなの?って思う気持ちはあったけれど、それが本当の『多様性』を分かったうえで考えていたことかどうなのかには自信は持てなくて…
ただただ、そこから外れたと思われる人をバッシングすることで、自分の中の正当性みたいなものを見つけようとしていただけなのかなと気付かされたというのか。
簡単に口にしちゃいけない問題なんだなって。
改めて考えさせられました。
何故だか、村田沙耶香さんの本を、ちゃんとわかって読んでなかったんだなって、この本を読んで気づかされました。