彼女たちの場合は [ 江國 香織 ]
内容紹介
「これは家出ではないので心配しないでね」
14歳と17歳。ニューヨークの郊外に住むいとこ同士の礼那と逸佳は、ある秋の日、二人きりで“アメリカを見る”旅に出た。日本の高校を自主退学した逸佳は“ノー(いやだ)”ばかりの人生で、“見る”ことだけが唯一“イエス”だったから。
ボストン、メインビーチズ、マンチェスター、クリーヴランド……長距離バスやアムトラックを乗り継ぎ、二人の旅は続いてゆくーー。
美しい風景と愛すべき人々、そして「あの日の自分」に出逢える、江國香織二年ぶりの長編小説。
こちら、2019年5月に第一刷が発行になっています。
久しぶりの江國さん。
長編出してるの知らなかったよー。
「小説すばる」で連載されていたんですね。
結構な厚みのある本で、おまけに字も小さめ。
行ったことがない所がほとんどなんだけれど(一応、ニューヨークには新婚旅行で行ったので)、不思議と目の前にその風景が浮かんでくるという。
さすが江國さんだなーと思いました。
それにしても、17歳と14歳の少女が二人でアメリカ中を旅するなんて、突然出ていかれた親の身になると、心配でしょうがないでしょうね。
かといって、礼那のパパに同情するかといえば、そんなこともないんですけど。
長いお話ですが、読み終えるのが勿体ないというのか。
礼那が『帰りたくない』と思うのと一緒に、私も『読み終えたくない』と思ってしまいました。
この先のお話も読んでみたいなー。
旅行から帰ってきた二人が、どんな風に成長するのか。
どんな女性になっていくのか。
海外にあまり行ったことがない私にとって、この本の中の逸佳と礼那は、羨ましくて、そして、こんな勇気私にはないなーと、尊敬すら覚えてしまう二人なのでした。