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カテゴリ:本
夜が明ける [ 西 加奈子 ] 内容紹介(出版社より)直木賞作家が5年間苦しみ抜いて到達した祈り。再生と救済の長篇小説。思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。どれだけ傷ついても、夜が深くても、必ず明日はやってくる。 内容紹介(「BOOK」データベースより)思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。 久しぶりの西さん。 いやー、凄かった。 読み続けるのが久しぶりに辛かった本でした。 けど、読まなきゃいけない気がして。 途中でやめたら、いけない気がして。 それ以上に、読み進めさせる力のある文章なので、読み続けてしまうんですけど。 これが今の日本なんだろうなーと思うんですけど、どこか目をそらしがちな問題なんじゃないかなとも思ったりして。 それを真正面から、西さんは書かれているんですよね。 書くのも辛かったろうなー。 大変だったろうなーと。 読むのも体力使うけど、書く方はもっとですよね。 凄い作家さんだなーと改めて思いました。 そして、自分の日常を改めて考えなおしたりして。 まるで関係のない話ではないんですよね。 扶養されている身としては、世帯主に何かがあれば、にっちもさっちもいかなくなるのは目に見えているわけで。 私は出産とともに『正』と言われる身分を捨ててるのでね。 そこから、『正』が付く身分には一度もなってないですし。 これからなんて、もっとなれそうにはないですしね。 たまーに考えますよね。 今の日常が永遠に続くなんて、保証されているわけじゃないんだよな。 夫になにかあったら、私は一体どうするんだろう。 どうなってしまうんだろう…なんて。 他人事じゃない。 いつ、誰の元に訪れるかわからない現実。 あまりの未来の無さに、本当に読んでいるのが辛かったんですが。 最後にはちょっとだけ救いがあったかな? いや、どうなるのかはわからないけど、ちょっとだけ進むことが出来た主人公の姿が見れただけなんですけどね。 他人事だと思って、目をそらし続けてはいけない現実が、この本の中にはあります。 それをどう読むかで、その先の自分の人生があるような気がしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.06.13 21:31:59
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