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残業人間の野遊び生活

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2012年08月12日
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カテゴリ:登山
 入山二日目。

 今日は千枚小屋から荒川三山を越えて荒川小屋まで、3,000m峰3連発、今回山行のハイライトである。

 夕べの夕立もすっかりあがって天気も悪くない。
1310 富士山.jpg

 出発前、千枚小屋から見上げる空も青くて気持ちええ。
1311 千枚小屋.jpg

 コースタイムも4時間強なので、そんなに焦らなくてもいい。夕立までにテン場に着けばいいかなってとこ。

 ただ、夕べの雨でテントがびしょ濡れ。
 食料がちょっと減った分、ちょっとは軽くなってるはずという期待裏腹、ザックの頭の方がちょっと重く感じる。

 振り返ると、笊ヶ岳、その手前には昨日登ってきた尾根筋が見えている。
 よくもまぁ、あれだけ歩いたもんだなと、自分でも感心する。
1311 笊ヶ岳.jpg

 雲が切れ、赤石岳が全貌を露わにし、その向こうに聖岳、上河内岳が見えてきた。
1312 赤石岳.jpg
 3年前、靴擦れで苦しみながら登った山々が見えてくると、なんとも感慨一入。

 あのとき、次登るなら荒川三山って決めてたこともあるし、こうしてここを歩いていることがとてもうれしい。

 いくら調べて勉強しても全く覚えられないので、高山植物の名前に拘らず、最近は目で楽しむことにしている。
1313 高山植物.jpg

 北の方角には南ア北部、塩見岳がチラ見せしてくれるだけで、結局、それ以北の山々は拝めなかった。
1314 塩見岳.jpg

 花は可憐だ。
1315 花.jpg

 今回のハイライト、悪沢岳をあっさりパス。
 本来メインのピークに着いたら、たくさん写真撮ったり、ピークラーメン食べたり1時間くらいのんびりするのだが、悪沢のピークに着いたのが、朝8時半。
 ラーメン食うにはちょっと早いし、周りを見ると積雲がなんだが早めに発達し始めている。
 今日の荒川小屋までで行動時間は知れてるのだが、夕立が来る前に小屋まで行っておきたい。
 などと、一人だといろいろ考えてしまい、悪沢岳をさくっと通過して、結局のんびりしたのは荒川中岳のピークだった。

 荒川中岳ピークにて、大物干し大会。
1316 大物干し大会.jpg
 とにかく雨を吸ったテントが重いので、ここでザックの中身全開。
 フライにテント本体にグランドシートを広げて全部乾かした。

 なにしてんねん?
1317 オコジョ.jpg
 警戒心全開、だが好奇心も全開のオコジョが目の前50センチまで近付いてきた。

 聖岳の向こうに見える積乱雲がちょっとずつ成長していってる。
 そろそろかな夕立がこっちくるな、と荒川前岳をピストンして、一気に荒川小屋へ下った。

 畑薙ダムからフォレストのバスで入山する方なら周知のルール、東海フォレストが指定する小屋で一泊しなければ、帰りのバスに乗ることができない。
 ということで、今夜は荒川小屋へ素泊まりなのである。

 宿泊者は確か12名。そのうち自炊素泊まりは俺一人。

 食事付きの皆さんが旨そうに荒川小屋名物のカレーライスをむさぼり食ってる中、俺は一人で白米を炊き、鍋に干し椎茸、干しエビ、ジャガイモ、タマネギを炒めてからフリーズドライの中華丼をぶち込み、海鮮中華丼を作製していた。

 と、このとき、同宿に昭文社の取材の方々がいらっしゃり、そのうちのお一人が今日誕生日だとのこと。小屋のサービスで食事付き宿泊者全員にデザートのケーキが配られた。
 俺は素泊まりだから全然期待せず、飯を炊いてる鍋を確保しながらみんなと一緒にハッピーバースデーを歌っていた。

 と、そこへ、天使が舞い降りてきた。


 あの、「よかったらどうぞ」。

 顔を上げると、そこには小屋のスタッフの衣装をまとった天使が、一皿のケーキを両手に持って俺の前に立っていた。

 それがこの写真。
1318 C2晩飯.jpg

 素泊まりの俺にもケーキを分けてくださった小屋スタッフの配慮に、ソロ登山の俺の心も温かくなったのである。

 俺が小屋に着いた直後に降り始めた夕立もいつのまにか止んでいる。

 慣れない小屋泊まりに明かりを灯してくれた、あま~いケーキなのであった。



・ガイド本の歩行時間 4時間50分(山と高原地図)
・俺の歩行時間    5時間23分(休憩を除いた実質歩行時間)
・俺の行動時間    7時間27分(休憩を入れた時間)






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最終更新日  2012年09月23日 21時21分46秒
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