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カテゴリ:うちの本棚
この3月に発行されました「ふくやま文学」30号。 ラストを飾っているのが、主宰者・中山茅集子先生の「遊魂(菅茶山・蠣崎波響)」という作品。江戸時代の漢詩人で儒学者の菅茶山を主人公に、松前藩主の弟にあたる蠣崎将監との交友を描いた短編なのですが、 これがですねえ、めっちゃいい作品に仕上がってるんです。 いえ、自分の先生だからヨイショしてるわけじゃなくて(笑) 正直、神辺出身の菅茶山の名前くらいは僕も知ってましたが、中山先生の筆によって人格が与えられ、表情や肉声が与えられて、一人の人間として、はじめて僕の前に立ち現れたように思います。茶山先生とはこんな人だったかと、すんなり受け止められました。 小説の力って、やっぱりすごいですね。 そして複雑な事柄を、平易な言葉で、わかりやすく、かつ味わい深く伝える見事な文章。もう脱帽でした。 素人臭い作品がずらずら並ぶ中で、この一作だけが段違いに際立っています。 福山へお立ち寄りの際、ぜひ書店で「ふくやま文学」30号をお求めいただき、この「遊魂(菅茶山・蠣崎波響)」をご一読いただきたいと思います。普段歴史小説なんか全然読まないもずが、何をそんなに感動しているのか、たぶんおわかりいただけるものと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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