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テレビを見ていたら森永なんとかというドケチな評論家が、「日本航空は安いパイロットを使って売り上げを伸ばせ」などと馬鹿な事を偉そうに言っていたのこと。
冗談じゃない、医者とパイロットには命を預けてんだぞ!質の悪いパイロットに掛かったら、命が幾つ有っても足りないのこと。 以下は、「珍さんのトラブル・ガイド・イン・ヨーロッパ」からの抜粋アル。まだ出版もPDFファイル化もしていないアルが、原稿は完成しているエッセイのこと。 飛行機に金を掛けなければどんなことになるのか。外国の飛行機に乗った時の実話アル。 「イベリア航空」 懐かしいファドと、ワインですっかりいい気分になった珍さん、その夜は熟睡したのこと。翌日はイベリア航空でスペインのマドリッドへ。 このイベリア航空がどうやら貧乏会社らしく、チャチなシートで、ビジネスもエコノミーも大差無いのこと。スッチーはオバチャン・トリオで珍さんのメモによると オバシャン・その1・・・金髪、ショートカット、ウエスト90、ケツ120、体重100キロ、50歳 オバチャン・その2・・・肩までの黒髪、ウエスト90、ケツ130、体重120キロ、50歳、女相撲の出身? オバチャン・その3・・・肩までの茶髪、ウエスト70、ケツ80、体重60キロ、45歳 と、物凄いメンバーアルヨ。まるで空飛ぶ女プロレス軍団アルヨ。このオバチャンどもは、仕事はロクにせず、最初から最後まで喋りっ放しだったのこと。 「いつになったら飛ぶのかな」と見ていると、ハゲ頭の副操縦士が残り少ない髪を振り乱して、汗を拭き拭き操縦席に飛び込んで来たアルヨ。どうやら出発の遅れは副操縦士の遅刻が原因らしいのこと。 珍さんの席は1Cで一番前アルし、操縦席のドアが開きっ放しアルから、良く見えるのことよ。何やら操縦士と副操縦士が言い合いしてるアルヨ。 「遅れて申し訳なか。電車が遅れよったったい」 「そんなもん、言い訳になりまっかいな。電車が遅れたんじゃなくて、お前が電車に乗り 遅れたっちゃろ。ワテかてちゃんと定刻に来とりまんがな」 「電車が遅れたんはオイの責任じゃなか」 「電車が遅れたんやったら、タクシーに乗ればええやんか」 「会社はタクシー代なんぞ払っちゃ呉れんめーが」 「当たり前でんがな。ウチらみたいな貧乏会社が、タクシー代を払うはずがありまっかいな。当然、自腹でんがな」 「それは、殺生ちゅうもんたい」 「それがイヤやったら、遅刻せんように、家を早く出ればええでんがな」 とか何とか言い合っているらしいのこと。しばらくして、やっと離陸の用意が出来たらしいのことよ。機長が、操縦席のマイクで、 「当機は20分遅れで離陸することになったんやが、*@§☆★○●◎◇◆□■△▲▽▼ ※〒→←↑↓↓・・・・・」 と喋ったアルヨ。 「*@§☆★○●◎◇◆□■△▲▽▼※〒→←↑↓↓・・・・・」の部分はマイクがハウリングを起こしてしまい、「ウワーーーーーーーーン」となってしまったことを表現しているアルヨ。 何度やり直してもハウリングは止まらず、仕方無しに、客室のスッチー用のマイクを操縦席まで引っ張り込んで再放送したアルヨ。 「当機は30分遅れで離陸することになったんやが、飛び上がったらすぐに遅れを取り戻しまっさかい、心配せんでもよろしゅおまんがな」 ということアルが、珍さんビックリアルヨ。 リスボンからマドリッドまでの飛行予定時間は45分アルヨ。それなのに20分も遅れて出発して、定刻に着陸するということは25分間で着くということアルヨ。そんなこと出来る訳が無いのこと。 相変わらず操縦席のドアは開けっ放しで、どうやら機長と副操縦士が飛行前のチェックをしているらしく、機長がクロスのボールペンを右手に、しきりに何かを指図しているアルヨ。 「エンジン・チェック」 「今は付いてまーす」 「ハンドル・チェック」 「まだ、有りまーす」 「ガソリン・チェック」 「レギュラーが少し入ってまーす」 「羽根・チェック」 「なんとか付いてまーす」 「タイヤ・チェック」 「ブリジストンではないが、一応安物の中古タイヤを履いてまーす」 「右よし、左よし、ではシュッパーツ」 てな具合で、スッチーが乗客のベルトを確認することも無いままに、珍さんが乗ったイベリア航空機のマグダネル・ダグラス社製MD-81は滑走路を走り始めた。 MD-81と言えば、日本では「貴婦人」というニックネームを持つ華麗な機体で、座席数は少ないものの、加速性能が良く、ロケットみたいな細い機体が45度くらいの急角度で急上昇したり、急降下する様は、まさに「貴婦人」の名に相応しいアルヨ。 しかし、このイベリア航空のMD-81は、滑走路をガッタンゴットンと走ったのことよ。今までに何十回と飛行機に乗ったアルが、滑走路でこんなにガタガタしたのは初めての経験アルヨ。 珍さん、スッチーに 「このMD-81は随分ガタゴトと揺れるねえ」 するとスッチーは 「これはMD-81やのうして、ワンランク下のD-51(デゴイチ)でんがな。しかも タイヤのトレッド(溝)が殆ど無い中古タイヤでっしゃろ。ちーともクッションが効きまへんにゃ」 デゴイチ(D-51)は有名な蒸気機関車のニックネームで、男なら誰でも知っているアルヨ。 滑走路ではガッタンゴットンと音を立てていたアルが、いざ車輪が滑走路から離れた瞬間に、我がD-51はギュイーンという軽い音を立てながら、45度の角度で軽々と上昇を始めたのこと。さすが「貴婦人」アルヨ。 離陸するや否や、3人のスッチーが何かをわめきながら食事の支度の為にドタバタと動き始めたアルヨ。 珍さん、食事が来るまで暇を潰そうと、座席の雑誌を取り出したら、なんとこれがボロボロでしかもヌルヌル。恐らく、何年も同じ雑誌を搭載しているアルな。気持ちが悪くてとても読めたものでは無いのこと。しばらくすると 「セニョール!☆★○●◎オナカガ◇◆□■△▲▽シータ?」 とスッチー。珍さん 「空いた空いた、腹ペコだ」 と答えた。妙な事を言うスッチーだと思ったアルが、どうやら、珍さんの聞き違えで、 「セニョール!」と「シータ?」は合っているが、他は違ったようで、「セニョール!」は「ダンハン!」で「シータ?」はテーブルの意味らしいのこと。 要するに、 「ダンハン、メシの用意が出来たよってに、テーブルを出してくれはりまっか?」 ということらしいアルヨ。珍さん、意味が分からず、ボンヤリしていると、 「なんやこのオッサン、ポルトガル語、わからへんのか。難儀やなあー」 とばかり、勢い良くテーブルを引き出したアルヨ。 「飲み物はなんにしまっかいな?」 ときたので 「ジュース」 と頼むと、何故か、大きい声で 「ジューーーーース!」 と返事をしたアルヨ。どうやら、男がジュースを呑むのは可笑しいらしいのこと。飛行時間が45分しかないアルに、ワインなんぞ飲んだら、酔ったまま入国審査だの税関だのを通過しなければならないアルから、珍さん、ジュースにしただけアルが。 出て来た食事は、ペースト状のハム、白身魚の燻製、チーズ、小さなケーキ2個、小さなパンだけで、実にみすぼらしいものだったのこと。 それでも、食事が始まるとすぐにハエが飛んで来たアルヨ。こんな飛行機に入ってしまったハエは悲劇アルな。ロクな食事が出ないアルから、残飯は出ないアルヨ。スッチーが、もっともらしく 「パンをもう1個食うたらどないやねん」 と持ってきたアルが、珍さん 「もう、オカズが無い」 と断ったアルヨ。ビジネス・クラスでこんな食事アルから、エコノミー・クラスは吉野屋の牛丼かマクドナルドのハンバーガーくらいしか出ていないアルな。いや、これなら吉野屋の牛丼かマクドナルドのハンバーガーの方がましかも知れないアル。 ジュースやワインのお代わりも無くて、メシの時間はたったの5分で、食べ終わるか終わらない内に、スッチーがドンドン片付け始めたアルヨ。 操縦席が開いているアルからスッチーが機長用の食事を持って行くのも見えたアルが、何やら旨そうな果物だけが山盛りになっていたのこと。しかし、機長は食事には手を付けず、ジュースだけ飲んだアルヨ。 副操縦士にいたっては、床に2リットルのペット・ボトル入りのミネラル・ウォーターを転がしてあったアルが、飛行中1回も飲まなかったのこと。 食事の片付けが終わると、スッチーが 「シー、セニョーラ!」 と汚いショーケースに入ったタバコや酒など免税品の販売を始めたのこと。ブランドもののスカーフや香水などは売っておらず、安い品物ばかりで、さながら 「空飛ぶ100円ショップ」といったところアルな。 結局タバコが少々売れたくらいで、誰もこんな汚いショーケースに入っている商品など買いたくもないのだろうのこと。 売り終わった途端にスッチーどもは、急降下する飛行機の中で、ドッタンバッタンと大きな音を立てながら大慌てで店仕舞いをしていたアルヨ。 飛行機は見事10分遅れで着陸したのこと。いつもは45分間でやることを35分間でやったわけだから、スッチーがドタバタするのも無理は無いアルヨ。さすがに疲れたらしく、スッチー(その2)は着陸のアナウンスをすることも無く、 「フーッ!」 と大きな溜め息をつきながら、大股開きでドッタンと着席したのこと。色気も何もありゃしないアルヨ。日本の航空機では考えられない光景アルな。 こんな風景を数年後の日本航空で見られるかも知れないアル・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年01月27日 13時42分54秒
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