カテゴリ:演劇
森見先生の『夜は短し歩けよ乙女』が舞台化されると聞いて、いやはや、これはと、
一日限りの大阪公演を観に、シアター・ドラマシティへと足を運びました。 ========== ストーリーについては、前の記事を参照ください。 これを忠実に舞台化。 いや、本当に、見事な舞台化。 何より素晴らしかったのは、舞台美術。 「叡山電車を積み重ねたような三階建電車」や 「七色の吹き流しが走り回っている火鍋」や「韋駄天コタツ」 さらには、夜の京都の街から、学園祭のアヤシイ雰囲気まで、 抽象化されすぎず、具体的すぎず、絶妙のバランス感覚。 ========== それに息を吹き込む役者さん達も、素晴らしい。 男性を演じた女優陣(何故?)が、芸達者。 高山都さん&宮菜穂子さんのお二人。 あえて女性キャストにした演出意図は不明ですが、 それでも、下手な男性が演じるより、ずっと存在感のある、 よいお芝居でした。 ---------- 主役の二人を演じたのは、渡部豪太さんに田中美保さん。 どちらも正解な演技で、違和感なく楽しめました。 特にヒロイン役は難しいだけに、よく頑張られてたなぁ、と思います。 ---------- ハイテンション歯科技師羽貫さん役に、辺見えみりさん。 想像以上にハマり役。 いかにも現実にいそうな姐御キャラで、安心して楽しめました。 ---------- コンビを組むのは、樋口さん役の原口健太郎さん。 写真を見て、なんとなく生瀬さんっぽいなぁ、と思っていたら、 お芝居も生瀬さんっぽかったです。 さすがに比べるのは酷ですが、飄々としてつかみどころなく、 現実感の希薄な役柄を見事に演じられていました。 ---------- でも、原口健太郎さんには申し訳ないですが、 このアプローチが成功しているだけに、 映画になるなら、この役は生瀬さんが良いなぁ。 そうですね、その際の主人公は、堺雅人さんで。 ヒロインは…『亀は意外と…』の時の上野樹里さんがイメージ近いかなぁ。 ---------- 話を戻して、基本的に素晴らしい配役だったのですが、 李白翁役のベンガルさんが…。 うーん、笑いは、一番とっているのです。 私も大いに笑わせて頂きました。 それは、さすがプロ、なのですが、 あくまで、その面白さは、「ベンガル」さんの面白さ、ナんですね。 原作にある微妙な間から生まれる笑いとは異質で、 面白いんだけど、面白いだけに、違和感が残りました。 重要な役回りだけに、とても残念。 やっぱり、この役のイメージは、おひょいさんこと、藤村俊二御大だよなぁ、と。 ========== 期待以上に楽しめた舞台でした。 うーむ。しかし、関西公演一日だけって…。 (京都でももう一日公演ありましたけど) 舞台装置や衣装・小道具・機材の搬出入とか考えたら、 お金をとってもボランティア公演みたいなものではなかろうか? 京都を舞台にしたお話なんだから、 関西系てか京都系劇団に頑張って頂きたいものです。 ========== アトリエ・ダンカン・プロデュース 『夜は短し歩けよ乙女』 @シアタードラマシティ 2009/4/18(土) 14:00/18:00 脚本・演出;東憲司 出演;渡部豪太 / 田中美保 / ベンガル / 辺見えみり / 綾田俊樹 / 高山 都 / 西村直人 / 宮 菜穂子 / 原口健太郎 / 板垣桃子 他 http://www.duncan.co.jp/web/stage/otome/ ★★★★☆ 原作;森見登美彦 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 22, 2009 11:11:23 PM
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