カテゴリ:読書
こんな本を読んだ。
いとうせいこう 『想像ラジオ』 又吉直樹 『火花』 京極夏彦×柳田國男 『遠野物語拾遺 retold』 ========== いとうせいこう『想像ラジオ』 前から気になっていた本。 死者への弔いの仕方は、国によっても、時代によっても、人によっても全然違いますが、最も重要なポイントは、残された生者がいかに「納得」するか、ということです。 この小説は、「小説」という形を借りた、死者への弔い。 そして、読むこともまた、弔いに加わることなのだと思います。 決して重い小説ではなく、清冽なイメージが貫かれ、読みやすく、読んで心に沁みる、そんな作品。 ========== 又吉直樹『火花』 基本、本は文庫化待ちなのですが、父が買ってきたので借りて読みました。 「お笑い」という舞台を背景に、理詰めで引っ込み思案な主人公と、所属事務所も違う先輩との関係が描かれた作品。 表現も文学的だし、ネットニュースのシーンとか、終盤の漫才のシーン、いわゆる「消えていった芸人」にも光を当てる筆致、最後の花火のシーンと合わせての「生きている限り、バッドエンドはない。」というメッセージなどは、とても良いと思うのですが、期待が大きかった分、少し肩すかしかな、と。 「文学的であらねば」という縛りで、面白さを削いでしまっている感じがするのは、まさに作中の主人公のジレンマと同じ。 「純文学」の定義が僕には分からないのですけれど、結果面白くなくなるなら、意味なくない?と思うのです。 ========== 京極夏彦×柳田國男 『遠野物語拾遺 retold』 京極夏彦×柳田國男 『遠野物語 remix』を読んだのは昨年のこと。 前作に引き続き、なかなか原文で読むのがつらい原著を、リミックスし、語りなおすことで、読みやすく「編集」する手腕はさすが。 そして、やはり、この物語群も怖さと不思議さに満ちています。 ミステリーとは違い、解決なんてない、純粋なる不思議さ、奇妙さ。 それは怖さの一方で、なぜか郷愁をかきたてるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 12, 2015 08:02:01 AM
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