in 『環境シンポジウム ~いちばん身近な環境サミット~』<5>
未来は我らに…(3)=====瀧口氏からは、「環境問題について、手遅れだ、ということはない。今からできることをやろう。」という、力強いお言葉を頂きました。「京都後」の枠組の中で、やれることを考え、実行していく。取り組んでいく。-----私は学生時代、所属していたサークルの創設者の方々から、ずっと「Think Globally, Act locally」なんだと諭されていました。どの立場、どこにいても、自分に出来ることをやる、出来ることから始める。始めなければ、始まらないのです。=====未吉氏からは、「サステイナビリティというのは、将来世代と現代世代をどうつなぐか、という問題」なのだ、というお話を頂きました。-----環境問題は、かって、主に地域の「公害問題」でなければ、「南北問題」として捉えられていました。しかし、それ以上に、世代間の問題である、ということは考えても良い視点です。遠く離れた人々に想像力を馳せ、その人達のために、というのは難しいかもしれない。しかし、自分たちの子や孫の問題なのだ、と思えば、少しは想像を働かせやすいでしょう。今、最も「環境に悪い世代」が親や祖父母になっている時代です。(とは言え、幼児虐待をするような「親」にそんな論理や情が通用するのかは疑問ですが。)-----「未来は若者たちの手の中にある。」だから、この会場にいる若い人たちに希望を託したい、というお話でした。=====住氏は、「ダサいとかが大事なんだ」と仰います。カッコいい、カッコ悪い、という感性に訴えなければいけないんだ、と。空き缶のポイ捨てはカッコ悪い。ゴミを分けて出さないのはダサい。食べ物を残すのはみっともない。そういう感性を持つことが、大切なんだ、と。-----何がカッコ良いことなのか、と言えば、「全ての人が幸せに暮らすこと」であるはずで、今までは、カッコ良さの基準は「金とモノ」であり、それに付随する事だったけれども、これからは「エネルギーと資源を使わずに過ごすこと」がカッコ良いんだ。そう考えると、「勉強をする」というのは、どこかに出かける必要もないし、「エネルギーと資源を使わずに過ごす」究極の方法で、とてもカッコ良いことじゃないか。これからは、「勉強」が楽しいぞ。-----なんてお話は、さすが「学問」に携わる方だけあります。さて、そして、未来について。-----未来についてのアプローチ方法というのは、いくつかある。一つは「予測-フォーキャスト」。未来がどうなるかを考える、という方法。もう一つは「シナリオ・プランニング」。未来に至るシナリオを描き、実現していく方法。そして、最後は「バックキャスト」。「あるべき未来」から逆算して、取るべき行動を考え、未来を選び取る、という方法。私達は、より良い未来を選び取ることができるんだ。=====最後に、未吉氏から頂いた「お願い」で、この文章を終えたいと思います。もし、環境問題に関心があるなら、して欲しいことがある。お金があるなら、そのお金の1%を、環境のために回してはもらえないだろうか。そんな余裕はない、というのなら、使える時間の1%を、環境のために回してはもらえないだろうか。そんな時間もない、というのなら、心のスペースの1%を環境のために割いてください。たった1%。 環境のことを考える時間を、取るようにしてください。=====環境シンポジウム ~いちばん身近な環境サミット~【日時】2007.11/10【場所】東京大学本郷キャンパス【パネリスト】 飯田 哲也 氏 (環境エネルギー政策研究所 所長) 末吉 竹二郎 氏 (国連環境計画 金融イニシアチブ特別顧問) 住 明正 氏 (東京大学 サステイナビリティ学 連携研究機関統括ディレクター) 瀧口 博明 氏 (環境省大臣官房) 石川さん、渡辺さん (東京大学学生)【主催】東京ドリームネット