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一眼レフも、完全自動絞りが実現される頃には、さまざまなちょっと昔のカメラの中でも、“かなり使えるカメラ”として認められてきたようです。
この“かなり使える”ようになった一眼レフに、更にTTL露出計を内蔵する動きが現れます。 エキザクタ等ですが、有名なのは、やはり旭光学のPENTAX SPでしょう。 1960年開催のフォトキナに、試作機が出展されましたが、製品化はその4年後となりました。 64年に発売されたSPに内蔵されたTTL露出計は、絞込み測光のものでした。 即ち、測光の際、回路のスイッチを操作して、自動絞りを手動絞りに切り替え、撮影に使用する絞り値まで絞り込んだ上で、測光。この状態で絞りリングやシャッターダイアルを操作して、適正露出を得る というものです。 完全自動絞りの恩恵で、シャッターレリーズ時以外は、常にファインダーが見えていますが、この方式においては、測光時にはレンズを絞り込む事になるため、絞り値によっては、ファインダーが相当暗くなります。 ところが、このPENTAX SP発売の前年、画期的な一眼レフが、他社から発売されました。 63年に東京光学から発売されたTOPCON RE SUPERは、開放測光のTTL露出計を内蔵していました。 こちらは、測光の際、レンズを絞り込む必要はなく、開放状態のままで、撮影に使用する予定の絞り値からの計算値として測定する というものです。そのため、絞込み測光と異なり、測光の際、ファインダーが暗くなる事はありません。 昭和30年代も終わろうとする頃、一眼レフの内蔵TTL露出計に関して、開放測光と絞込み測光という、2つの方式が現れたわけです。 当時、この両者のいずれが勝っているかについて、かなり賑やかに論じられました。 この頃の技術水準では、露出係数がかかる場合等、絞込み測光の方に分がある点も確かにあったようですが、メーカーとしては別の事情がありました。 東京光学が、開放測光における重要な特許を得ていたのです。 このため、他のメーカーは、自社製品を開放測光化したくとも、東京光学に高額な特許料を支払うか、この特許に抵触しない方法を自社で開発するか という状況におかれました。 トプコン特許と呼ばれる事もあるこの特許。その有効期間20年に亘り、他社の悩みの種となりました。 絞込み測光で行くか、開放測光化するか。 後者なら、特許料を支払うか、新たな方式を自社開発するか。 次回は、他社がそれぞれ歩んだ道について、綴る予定です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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