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今回はファインダー視野率の話です。
最近のカメラでは、ファインダーから実に多くの情報が得られます。 露出に関する情報はもとより、現在何コマ目の撮影中であるとか、バッテリー残量についてまで、ファインダーを覗くことで知る事ができたりします。 しかし最も重要なのは、フィルムに写る範囲が撮影前に分かるという事でしょう。 一眼レフ以外のカメラでは、フィルムに写る範囲より広い範囲がファインダーで見れるのが普通ですが、撮影用レンズを通過し終えた光をファインダーに導く一眼レフでは、このような事が可能な設計は通常なされません(不可能ではないでしょうが、レンズ径やマウント口径が、フィルムサイズに対して無駄に大きくなってしまうでしょう)。実際殆どの一眼レフでは、フィルムに写る画面の90~94%程度がファインダーで見れる割合です。 35mm版はフィルムサイズとして小さいものですから、撮影後のトリミング等でさらに削ってしまうのは避けたいところです。したがって実際に写る画面全体を撮影前にファインダーで確認できる事が望ましいわけで、先ほどの割合、ファインダー視野率が100%に近い方が好ましいとされます。しかしその実現には高い精度での調整技術が必要でした。 Nikon Fはニコン初の一眼レフでありながら、昭和34年の登場時にファインダー視野率100%を既に実現していました。 コストを要する事なので、どのメーカーも最高機種の視野率が最も高くなっているのが普通です。いくつか例を挙げますと、TOPCON RE SUPER(昭和38年発売)が97%、Canon F-1(昭和46年発売)が97%、OLYMPUS OM-1(昭和47年発売)が97%、Minolta X1(昭和48年発売)が98%、CONTAX RTS(昭和50年発売)が92%、PENTAX LX(昭和55年発売)が縦98×横95% でした。 後、キャノンはEOS-1(1989年発売)で、コンタックスはRTS3(1990年発売)で、ミノルタはα-9(1998年発売)で、それぞれ100%を実現しています。 一方ニコンはF以降、F2,F3,F4,F5、そして最新のF6に至るまで、Fの後継機種は全て100%で通しています。 プロカメラマンでも視野率100%に拘る方は多くないようですし、アマチュアがサービスプリントやリバーサルフィルムのマウント仕上げを利用する場合、むしろ92~93%程度の方が使い易かったりします。もちろん私もそれで十分です。 ただ、視野率についての知識が増すにつれ、Nikon Fへの偏愛が深まったのは確かなようです。 自社初の一眼レフ開発時から、小さいサイズのフィルム用のカメラのファインダーは100%であるべきだとして実現したニコンの見識と技術力に敬意を払うようになるとともに、それらを最初に具備したNikon Fは特別なものとして、私の中でますます大きな位置を占めるようになっていきました。 楽天でオリンパスOM-1、ペンタックスLX、ミノルタα-9が見つかりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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