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今回はファインダーの見易さについてのお話です。
カメラのファインダーの見易さというと、まず思い付くのは倍率と明るさです。 特に倍率は、視野率以上に良し悪しより好みで左右され易い点でしょう。 一眼レフとは事情の異なるレンジファインダー機ですが、あのライカなどM6に0.58,0.72,0.85と3種類の倍率を揃え、選べるようにしたほどです。 とはいえ、一眼レフではあまり低い倍率もどうかと思います。 先日、カメラ店でNikon D70sに触れる機会がありました。2.0型の堂々たる液晶モニターの上側に申し訳程度のファインダー。0.75倍のファインダーを覗いたのは初めてでしたが、どうでもいいおまけのような感じで悲しくなりました。改めて調べてみると、同クラスのデジカメでも、他社製品の倍率はフィルム一眼と同程度以上の物が多いようなので、情けない思いです。 ちょっと昔のカメラでは、0.8~0.9倍程度が普通でした。概してどのメーカーも最高機種より中級機の方が高かったようです。各社の同時期の物で比較してみると、 キャノンではF-1の0.77倍に対してFTbが0.85倍。New F-1の0.8倍に対してAE-1が0.86倍でした。 ペンタックスではLXの0.9倍に対してMXが0.97倍。 ミノルタではX-1の0.8倍に対してXEが0.84倍。 そしてニコンでは0.8倍のFに対してNikomat FTnが0.86倍。0.8倍のF2に対してFMが0.86倍でした。 ニコンは最高機種のファインダーに関して、視野率100%と共に倍率も0.8倍をFからF2が受け継いだ事になりますが、次の後継機種F3で事情が変わってきます。 Nikon F3では倍率0.8倍のアイレベルファインダー装備のタイプとは別に、ハイアイポイントファインダー装備のF3HPというタイプも販売されました。 これにはアイポイントを伸ばす事で、メガネを掛けたままでもファインダーの四隅が見易くなるという利点がありますが、一方で倍率は0.75倍に落ちてしまいます。 アイポイントを伸ばすと倍率が落ちるのは止むを得ないようで、更に伸ばしたアクションファインダーでは0.6倍にまで落ちてしまいます。尤もこれは、航空写真撮影などヘルメット越しにカメラを構える時のための特殊なファインダーですから、背に腹は換えられないというところでしょうが。 F3では、アイレベルの倍率の高さを支持する方もおられますが、少数派らしく、実際にはF3HPの方が良く売れたようです。 また、限定モデル等をみても、F3/T,F3P,F3 Limited,F3H はいずれもハイアイポイント仕様です。 このF3以後、ニコンの最高機種はハイアイポイント仕様を引き継ぎ、倍率は、F4:0.75倍,F5:0.7倍,F6:0.74倍 と移り変わっていく事になりました。 私自身は、倍率が0.8倍を切る機種はF-1以外持っておりません。0.86倍のNikomat FTnをよく使っていた時期もありましたが、少し高いように感じていました。F2の使用期間が長かったためか、0.8倍程度が程好く感じます。倍率に関しては、慣れという点も大きいようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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