情けは他人のためならず
店をやっているとどうしても道を聞きに来る人は結構多い。で、私はそういう人たちに道を教えるのがワリと好きだ。いつもかなり懇切丁寧に教えてあげる。道を教えること自体が好きなわけではなく、何かこう「人の役に立っている」と思えることが素直にウレシイのだ(自己満足か.....^_^;)。ところが私の両親はというと、他人に道を教えることがあまり好きではないらしい。というのも、道を聞きに来る人というのは例外なく他所の土地の人なので、商売につながらないからだそうだ。まあその考え方も分からないでもない。しかし実は今日こんなことがあった。ウチの店に入ってきたあるお客がしばらく店の中を眺めたあと、2,500円相当のお酒を手にレジにやってきた。そして私に「こないだはどうもありがとう。助かったよ」と言うのだ。しばらくワケが分からずポカンとしていたが........、あ、思い出した!先日私が道を教えてあげた人だ!聞けばやはりここら辺に住んでる方ではなく、ウチの店の前の道を通るのもその時以来なのだそうだが、あのときの応対が嬉しかったので、次にここを通る時はウチで何か買っていきたいと思っていた、というのだ。多少のリップサービスは入っているかもしれないが、まあ、こう言われて悪い気はしない。確かに私が今までに道を教えた何百人(たぶん)の中で、商売に結びついた例はこれ1回きりだと思うが、近所であろうが遠方であろうが、全ての消費者がウチの顧客になり得ると考えた時、全ての人に親切に接することは商売人として必要不可欠なことなんじゃないかなー、と改めて感じた次第である。