『ホテル・ルワンダ』
あいにくの雨の日曜日となったが、以前CS放送でオンエアされて、ビデオテープに撮っておいた『ホテル・ルワンダ』をようやく観ることが出来た。戦慄の映画だ。1994年に起こった「ルワンダ内戦」をテーマにした映画だが、実話に基づくストーリー(主人公も実在の人物らしい)だけに、ある意味ドキュメンタリー的でもある。内戦などにはまったく縁の無いこの日本で暮らしている分には、まず遭遇することの無いであろう悲劇、これは直視しなくてはいけない。そしてその内戦を目の当たりにしながらも、介入に躊躇して何も出来ない国連や先進諸国へのアンチテーゼも、多分に含んでいると思われるが、それと同時に、この映画に出会うまで「ルワンダ内戦」についてほとんど理解がなかった私自身にも、警鐘が鳴らされた思いがした。ところでこの映画は当初、あまりに地味で興行採算が取れないなどの理由で、ほとんどの関係者が興味を示さなかったのだが、一部の熱心なファンの署名活動に後押しされて、ようやく日本で陽の目を見たという経緯があったそうだ。しかしこれほどの映画に対して、まったく理解が無かったというのも、今となっては解せない話だ。