大晦日
子供の頃から、一年で一番好きな日というのは、大晦日だった。かつてユーミンも、「次の夜から欠ける満月より、14番目の月が一番好き」と歌っていたが、それとまったく同じ心境だ。新しい年に向かっていくに当たって、形容しがたいエネルギーのようなものが日増しに高まっていき、それがこの大晦日に最高潮に達していく、その何とも言えないエクスタシー感がたまらないのだ。しかもウチは商売柄、大晦日はいつも忙しくしていたので、そのある意味非日常的な猥雑ぶりにも、子供心に胸躍らせたものであった。もっとも元日から多くの店が営業している昨今、大晦日にはかつてのようなバタバタ感は無くなり、夜も7時を回るとホントにお客もまばらになる。まあそれでも大晦日特有の気持ちの高ぶりというものは、私の中では変わらず持ち続けているのだが。翌日から久々の休みだ、という期待感とも無関係ではなかろう。さて今年のこのブログを改めて眺めてみたが、今回でちょうど50回目の投稿だった。ひところ、ほぼ毎日のように書いていたことを思うと、隔世の感すらある。もっとも自分が好きで書いていることなので、別に誰に迷惑を掛ける訳でもないからいいのだが、やっぱり気力の衰えというのは否定できない。「老化」という言葉を使うほど歳をとっているわけではないが、それでも白髪や老眼が混じってきたり、おっさん体型が顕著になってきたりして、フィジカル的には「老化」に片足が掛かっているような状態だ。しかし先ほどの「気力の衰え」を「老化」と結び付けて考えることだけは絶対にすまい、ということだけは、固く心に誓っている。それを許してしまえば、身も心も一気に老け込んでしまうのが目に見えるからだ。なんだかんだ言ってるが、要は書かなくなった言い訳を自分自身にしてるだけではないのか、という気もしてきたので、この辺で止めておこう。来年が皆様にとっていい年でありますように。