「あまちゃん」と「ごちそうさん」
大好評を博した「あまちゃん」に続き、朝の連ドラは「ごちそうさん」になった。あまりにも「あまちゃん」の反響が大きかったので、これは次作は苦労するんじゃないかな、と私自身考えていたが、ところがどっこい、「ごちそうさん」もなかなかの高視聴率だと聞く。実は私は初めは「ごちそうさん」を見るつもりは無かったが、いつの間にか続けて観てしまっている。これはたぶん「あまちゃん」によって、朝8時にテレビのチャンネルをNHKに合わせるという習慣がついてしまった、としか言いようがない。こういうパターンは以前にもあって、おそらく同じような人間が日本中にはかなりいるのではないかと思われる。ただそうは言っても、別に惰性で見続けているわけではない。始めのうちは、フードコーディネーターの飯島奈美さんの仕事ぶりを拝見するくらいの感覚であったが、見続けていくとこれはなかなかによく練られたストーリーだという気もしてきた。しかし個人的には、ヒロインに対しての共感度は低い。好きか嫌いかはさておいて、もしもめ以子のような人間が身近にいたら、私としては鬱陶しくて仕方ないのではないか、と思う。ドラマでなければ、ただの出しゃばりねーちゃんじゃないか、とも思ってしまう。しかし反対の私の妻などは、「あまちゃん」よりも「ごちそうさん」を推すだけあって、め以子に対しても好意的だ。逆に「あまちゃん」のヒロイン、アキに対しては、「単なる能天気なおバカじゃないの?」と手厳しい。このあたり男女の感性の違いが、ひょっとしたら端的に現れているのかもしれない。何はともあれ、今のこの「ごちそうさん」はある意味、典型的な「正統派」連ドラであると言えるが、それは即ち、「あまちゃん」がいかに異端的存在であったか、と言うことの裏返しでもあろう。