グルジア・オン・マイ・マインド
ビートルズの通称「ホワイト・アルバム」に収録されている「バック・イン・ザ・USSR」という曲の歌詞の中に、このような一説がある。 Well the Ukraine girls really knock me out They leave the West behind And Moscow girls make me sing and shout That Georgia's always on my my my my my mind最後の行に「ジョージア」が出て来る。しかも「ジョージア・オン・マイ・マインド」というスタンダードナンバーに引っ掛けて。初めて聴いた中学生の頃は、なんでソ連の歌の中にアメリカの地名が出てくるのか解らなかった。しかしここで歌われている「ジョージア」は、アメリカのジョージア州のことではなかった。2015年、旧ソ連の「グルジア共和国」の日本での呼称が、正式に「ジョージア」と定まった。もともと英語でのスペルは同じであったが、最初はロシア語読みにしていたのを、グルジア政府からの要請を受けて、英語読みの「ジョージア」に変更したらしい。相手さんからの要請だから致し方ないが、個人的には未だに違和感がある。「ジョージア」といえばアメリカの州名のみならず、日本の大手メーカーの缶コーヒーでもある。まあそのあたりは、日本の都合と言ってしまえばそれまでなのだが。しかしそれを受けて、この歌が「旧・グルジア」のことを歌っていたものだと知った時には、まさに目からウロコが落ちる思いであった。永年の胸のつかえがスッと落ちたような心持ちであった。しかし今、改めてこの歌の収められている「ホワイト・アルバム」の歌詞カードを引っ張り出し、対訳を確認したところ、上記の4行はこういう風に訳されていた。 ウクライナの娘にはどうにも弱いぼく 西洋なんとやらのあの娘たちだ モスクワの娘もこれまた遊び上手 それにグルジアの娘 これまた生かす連中さな~んだ、当時からちゃんと「グルジア」と訳していたんじゃないか。ちゃんと見とけよ(笑)