リクライニングマナー
夜行バスなどに乗ると運転手からのアナウンスの中でよく「座席のリクライニングを倒す時は、後ろの方にひと声掛けてから倒して下さい」といったような注意がなされる。それを聞くたびに私は、「なんてナンセンスなんだ!」と思ってしまう。仮に「倒していいですか?」と後ろの人に声を掛けたときに、「ダメです!」という返事が返ってくることなど、まずないだろう。そもそもリクライニングシートなんて倒すためにあるわけで、それを使う時にいちいち許可を得なければいけないということがよく分からない。もちろん声を掛けることがおかしい、と言ってるわけではない。声を掛けることがマナーだ、という道徳観がいつの間にか定着していることに違和感を感じる。そんなマナーが定着すると、小心者の人などいつまで経っても声が掛けられずに、一晩倒すことなく寝不足のままバスを降りたりすることにならないか。それならいっそのこと、「座席のリクライニングを倒す際、後ろの席に他の方がいらっしゃる時には、出来るだけゆっくりと、そしてあまり一杯まで倒さないようにお気を付け下さい」というアナウンスをした方がよっぽど気が利いてる。どうせリクライニングでトラブルになるとすれば、こういったケースだろうから。そしてこれが新たなマナーとして定着すれば、その方がよっぽどスマートだと思うが。