「Go To Eat」の副作用
コロナ禍で苦しむ飲食店を救う目的で始まった「Go To Eat」キャンペーン。その割引率の高さから、かなりの人気を博しているようだ。ウチの店のお得意先の飲食店でも、「Go To Eat」食事券での支払いが増えていると聞いている。ただその一方、ボヤキの声も聞こえてくる。この「Go To Eat」食事券の決済だが、飲食店から送られてきた半券を事務局で集計した後、月末に締めて、その分の金額が翌月の20~25日に振り込まれる。当県ではそういう段取りだ。つまりお客さんから受け取った食事券が現金化されるまで、最長55日ほど掛かることになる。今までお客さんから現金で受け取っていた分が、かなりの割合で遅れて手に入ることになる。ところが飲食店の仕入れの中には、現金支払いのものが相当数ある。このタイムラグがかなり厳しいのだ。ただでさえ資金繰りに苦労している中で、仕入れ代金が手元に残らないというのは痛い。確かに「Go To Eat」キャンペーンで来客が増えるとはいうものの、お客さんの支払いの中の「Go To Eat」食事券の割合が増えれば増えるほど、資金繰りが苦しくなるというデメリットもあるわけだ。ひょっとしたら「Go To Eat 倒産」なんていう事例も出てくるかもしれない。もっとも「Go To Eat」キャンペーン自体を非難するつもりはない。ただこういう副作用を抱えていることも頭に入れておかなければいけないと思う。