勉強が好きじゃいけないですか?
最近になって思うのだが、「勉強」って何だろう?この歳になって私が出した結論は、「知らないことを知ろうとすること」ということだ。私は勉強が嫌いではない。むしろ好きだ。こういうことを書くと、いかにも優等生っぽい印象を抱かれてしまうかもしれない。ただ私も、中・高での勉強は好きではなかった。今思えば、あれは「勉強」ではなく、「訓練」だったんじゃないかと思う。とにかくまずは「受験」ありきで、受験で成功を収めるための「訓練」....そんなもの、誰も好きになれるわけがない。翻って今やっている「勉強」とは、ひとつには仕事上どうしても知っておかなければならないことについて調べたりすること、もうひとつには趣味的に興味があることについて深く知ろうとすること。つまり「やらされるもの」ではなく、「やりたいこと」なのだ。でも本来「勉強」ってそういうもんだろうとも思う。ちなみに私は仕事柄、どうしても「酒」に関する勉強は欠かせないから、それなりに時間を費やして勉強する。そしてそれ以外に今熱を入れているのが「世界史」だ。実は私は学生時代日本史が好きだった半面、世界史は大嫌いだった。「なんちゃら何世」みたいな似たような名前が頻出して頭がこんがらがるし、とにかくエリアが広大なのでそれだけで辟易してしまっていたのだ。ただ今は仕事柄ワインやウィスキーに携わっている中で、否応なくヨーロッパの歴史に触れる機会は出てくる。またクラシック音楽も好きなので、興味を持って掘り下げていくと必然的に世界史とぶつかってくる。そしてクイズをやっているともちろん、世界史がらみの問題なんてのはしょっちゅう出てくる。そういった視点で見ていくと、世界史ってとても魅力的に見えるのだ。自分が知りたいことを知ろうとする、自分が好きなことを掘り下げて学ぶ....こういった人間の欲望を満たすものとして存在するのが「勉強」であって、それが「嫌い」という人がいれば、乱暴な言い方をすれば、それはもはや人間として終わっているも同然かと思う。学校教育のことに言及するといろいろと厄介なことになりそうなのでここでは差し控えるが、少なくとも中・高で「勉強」というものが嫌いになった人に、広義の「勉強」まで否定するようになってほしくは無いと思う。