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テーマ:酒類業界の打ち明け話(24)
カテゴリ:業界ネタ
「ラッキーエビス」というのをご存知だろうか?
「エビスビール」(瓶のみ)のラベルに描かれている恵比寿様が、手に抱えている鯛の他に、 左後の魚篭の中にも鯛の尻尾が見えているものだ。 これはひとえにサッポロビールの遊び心で、数百本に1本の割合でアトランダムに混ざっているらしい。 もっともこれを見つけたからといって、メーカーからは何も出てこないが。 先日もウチのお得意先の飲食店の女将さんが、ラッキーエビスを見つけたと言って喜んでいた。 しかしながら、私自身はまだ1回もお目に掛かっていない。 もっともその飲食店で見つかったものもウチの店が納入したものだし、 ウチの店でも年間に数百本くらいは扱っているはずだから、 私が目にしないほうがおかしい、という考え方もある。 それは計算上はもっともな話だが、如何せん我々はケース単位で運んでいるので、 配達のたびに1本1本、ラッキーエビスがないかと確認するほどマメでは無い。 倉庫の在庫を1本1本調べたことも無いではないが、そんなことが続くわけも無い。 そういうわけで私にとって「ラッキーエビス」は、ずっと遠い存在であったのだが、 先日飛び込んできたニュースによると、サッポロビールがラッキーエビスをあしらったデザインの 350ml缶を限定発売するという。 メーカーによれば今回発売に踏み切った背景には、消費者からの強い要望があったそうだが、 ただ、だからといって安易に商品化して良いモノではないようにも思う。 まあ「瓶」と「缶」の違いこそあるものの、 ある意味「“幻”化」もしくは「都市伝説化」すらしているようなものが、限定販売とはいえ 「いつでも手に入る」状況になるということは、その価値を著しく低下させることにはならないだろうか? 例えて言えば「四つ葉のクローバー」を商品として売り出すようなものだ。 「ラッキーエビス」にはいつまでも“幻の”「ラッキーエビス」でいて欲しいものだ。
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