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テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:邦画
2002年 日本
寺尾 聰 樋口 可南子 ストーリーは、東京に住む上田孝夫と美智子の夫婦。孝夫は売れない小説家、美智子は大学病院の有能な医師だった。ある日、美智子は流産をきっかけにパニック障害という心の病にかかってしまう。都会の生活にも仕事にも疲れきっていた2人は、孝夫の故郷である信州へ移住することを決心した。2人は移り住んだある村で、村の死者がまつられた阿弥陀堂で暮らしているおうめ婆さんを始め、様々な人々と出会った。喋ることが出来ない難病を抱える少女・小百合は、おうめが日々思ったことを書きとめ、村の広報誌に“阿弥陀堂だより”として連載していた。 あんまり期待して観なかったけど、期待以上の作品でした。タイトルからして宗教色の強い映画やと思ってたけど全然違いました。ストーリー的にも決して盛り上がりのある映画ではなく淡々と進んでいくけど、そこがいいんです。都会で時間に追われて暮らしてるあつぼうには癒し系の映画になりました。人間の暮らしの基本がこの映画にはあります。 この映画は奥信濃で撮影されたらしいけど、四季の変化が凄くうまく表現されてました。春・夏・秋・冬それぞれの美しさが映像を通して伝わってきました。おうめ婆さんの言葉で凄く心に残ったのがあるのでここに書きます。 春、夏、秋、冬。 はっきりしてきた山と里の境が少しずつ消えてゆき、一年がめぐります。 人の一生とおなじなのだと、この歳にしてしみじみ気がつきました。 お盆になると亡くなった人たちが阿弥陀堂にたくさんやってきます。 迎え火を焚いてお迎えし、眠くなるまで話をします。 話しているうちに自分がこの世の者なのか、あの世の者なのか分からなくなります。 もう少し若かった頃はこんなことはなかったのです。 恐くはありません。 夢のようで、このまま醒めなければいいと思ったりします。 このおうめ婆さんを演じた北林谷栄さんはもう90歳を超えてるのに素晴らしい演技をします。熟練の技なんでしょうか。なぜかその姿は可愛さまで感じてしまいました。さらに小西真奈美も素晴らしい。一言も喋らないのにその存在感は抜群でした。これからかなり期待してます。 洋画では味わえないものが味わえた邦画の秀作やと感じました。 評価★★★★☆(3.9) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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