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カテゴリ:ベルギー映画
2002年 ベルギー オリヴィエ・グルメ モルガン・マリンヌ イザベラ・スパール ストーリーは、職業訓練所で木工を教えるオリヴィエ。彼はある事件以来、心を閉ざして他人を受け入れられなくなっていた。そんなある日、フランシスという少年が訓練所に入所してくる。彼は木工のクラスを希望したが、オリヴィエから手一杯だという理由で断られた。だが翌日、フランシスが気になるオリヴィエは、自分のクラスで彼を受け持つことに。また、何故かフランシスへの尾行も始めたオリヴィエは、その後別れた妻マガリのもとへ。そしてフランシスの事を話すと、彼女に激昂される。フランシスは、実は彼らの幼い息子を殺した張本人だった…。 最初息子を殺されたオリヴィエのフランシスに対する行動に疑問を持ってしまった。 あつぼうなら息子を殺した犯人が目の前に現れたら復讐するはず。 でもね実際はそう簡単な問題でもないんやろうけど、冷静にはいられないです。 オリヴィエは息子の最後を知るフランシスを観察するんですが、この2人の緊張感が凄いんです。 観ていていつ復讐するんやろって手に汗握るぐらい緊張感があります。 オリヴィエもフランシスもセリフがほとんどないので一つの動作や顔の表情の変化などで空気が張り詰めてしまいます。 効果音や音楽もなくしてるので緊迫したお互いの呼吸音がリアルに聞けます。 ハンディカムで撮影してるので手ぶれ感がさらに緊張感を煽りますよ。 この映画の中でフランシスが「5年も刑務所で罪を償った」って言うセリフがあるんやけど、これって加害者の一方的な思い込みで、被害者は子供を失った悲しみや苦しみを一生背負って生きていかなければならないんです。 加害者は刑期を終えたから罪を償えたって思うのは間違ってますよね。 なんかこのセリフが凄く印象に残ってしまいました。 ダルデンヌ兄弟の作品って小道具をさりげなく使うのが巧いんですよね。 この映画でもオリヴィエとフランシスが出かける時に車のトランクにロープを入れるのを印象づけたりするんですよ。 観てる人は、さてはこのロープで復讐をって変な期待感を抱かずにはいれないですからね。 このロープをどう使うのかは観てのお楽しみです。 冒頭からほとんどオリヴィエの背中を追いかけるように撮ってるのですが、これって邦題のとおり息子の視線から父親の背中を見てるって事なんでしょうね。 重いテーマを扱ってる映画なんで万人受けはしないと思うけど凄く考えさせられる映画でした。 評価(3.0) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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