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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ドイツ映画
2006年 ドイツ ウルリッヒ・ミューエ マルディナ ゲデック セバスチャン・コッホ ストーリーは、1984年、壁崩壊前の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)の局員ヴィースラー大尉は国家に忠誠を誓う真面目で優秀な男。ある日彼は、反体制的疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視し、反体制の証拠を掴むよう命じられる。さっそくドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかし、音楽や文学を語り合い、深く愛し合う彼らの世界にヴィースラーは知らず知らずのうちに共鳴していくのだった。そして、ドライマンがピアノで弾いた“善き人のためのソナタ”という曲を耳にした時、ヴィースラーの心は激しく揺さぶられてしまうのだったが…。 2006年のアカデミー外国語映画賞を受賞した話題作。 なんと監督は弱冠33歳という若さでこの映画を撮ったというから驚きです。 この監督が11歳ぐらいの時の時代の話なんで、膨大な資料などで調べながらこの映画を作ったんでしょうね。 ベルリンの壁の崩壊って凄く記憶に残ってるけど、それ以前の東ドイツで何が起こっていたのかはあまり知らなかったです。 まさかここまでの監視国家で人々のプライバシーもない国やとは思ってなかったです。 家の中には盗聴器が仕掛けられ、入り口にはカメラまで設置されます。 24時間体制で監視されるのですが、夫婦の会話や情事なども盗聴されてるんですよ。 それをタイプライターで記録に残されるからほんと怖い国家です。 今ではそれを図書館で閲覧出来るらしいです。 この映画は国家保安省(シュタージ)側の局員が主人公なんですが、監視対象の芸術家の生き方や考え方に影響を受けてヴィースラーの中にも人間らしい感情が芽生えたんでしょうね。 最初は反体制的な証拠を掴むために盗聴をするのですが、自分が信じていた国家が間違ってるのではないかって言う思いが頭をよぎり葛藤する姿が痛々しかったです。 危険をおかしてまで上官に嘘の報告をしたりするのは、この芸術家達に自分達の未来を託したかったのかも知れないですね。 それと腐敗しきった国家への彼なりの抵抗やったのかも。 今でも東ドイツ時代の過去を引きずって生きている人が多いらしいのですが、これだけ監視されて生きて自由を奪われてたから、そう簡単には人を信じる事も出来ないやろうし、どこでも監視されてるような気持ちになるんでしょうね。 それぐらい東ドイツがおこなった監視国家の傷跡は深いって事です。 この映画の邦題って素晴らしいですよね。 まさにこの映画の伝えたい事をあらわした邦題なんでお気に入りです。 大尉役を演じたウルリッヒ・ミューエは2007年の7月に他界したのですが、彼自身も監視対象となった経験があっただけにこの映画に対する思い入れは人一倍あったでしょうね。 素晴らしい演技をする役者さんやっただけに早すぎる死が残念です。 ご冥福をお祈りします。 今年は昨日の【レミーのおいしいレストラン】、そして今日の【善き人のためのソナタ】2本続けて評価の高い映画に出会えました。 今年は映画に関しては幸先がいいですよ。 評価(4.3) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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