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カテゴリ:海外文庫
ウィスコンシンの田舎町、肌寒い秋の夜明けに、教会で老夫妻の惨殺死体が見つかった。夫妻の周辺を調べると、彼らが身元を隠して各地を転々としていたことがわかる。一方、隣の州のミネアポリスの凍えるような早朝にも、あるPCゲームを正確に模した殺人事件が次々と発覚していた。そのゲームを作成したのは“モンキーレンチ”という個性的な5人のメンバーで運営されている会社で、彼らもまた過去を抹消して生きていた。一見まるで関係のない2カ所の事件が交差したとき、共通する驚愕の事実が明らかになってくる!4つの新人賞を受賞した話題の母娘作家、堂々のデビュー・サスペンス。 母と娘による異色の作家P.J. トレイシーによる衝撃のデビュー作です。 数々の賞を獲得したって事やったので、かなり期待しながら読みましたよ。 たしかに数々の賞を獲得したのは伊達ではないって思えるぐらい新人離れした筆力です。 現在と過去の全く無関係に思える2つの事件・・・。 ウィスコンシンの保安官が扱う事件とミネアポリスの刑事が扱う事件が交差した時に衝撃の展開が待ち受けてます。 登場人物が凄く魅力的で作者の人物造形の巧さがひかります。 遠く離れたところで起こる殺人事件を捜査する人々、そして事件の渦中にある【モンキーレンチ】の人々など登場人物が多いのですが、一人一人のキャラを丁重に描いてるから、読んでいて頭の中に登場人物が描き出せるんですよね。 600ページ近くあるんですが全然苦にならずに読めます。 色んな要素を盛り込みすぎたってところもあるけど、これは作者が脇役などの人物を細かく描きこみすぎたって事なんですよ。 そのおかげで最後まで犯人探しは難航しました。 途中である程度犯人の目星をつけてたけど、まさかここまで裏をかかれるとは(笑)。 マゴッツィ刑事とグレースの関係も凄く気になるので早く続編が読みたいです。 個性的な【モンキーレンチ】の面々も引き続き登場するらしいので楽しみです。 評価(4.3) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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