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テーマ:DVD映画鑑賞(14217)
カテゴリ:オーストリア映画
2004年 オーストリア/ベルギー/フランス フーベルト・ザウパー グローバル経済に取り込まれたアフリカの一地域で引き起こされた悪夢のような現実をセンセーショナルに描き出す衝撃のドキュメンタリー。アフリカのビクトリア湖は多様な生物が生息していたことからかつて“ダーウィンの箱庭”と呼ばれていた巨大湖。そんなビクトリア湖に、今から半世紀ほど前、外から持ち込まれた肉食の巨大魚“ナイルパーチ”が放たれた。ナイルパーチは在来の魚を次々と駆逐、爆発的に増殖し湖の生態系を破壊していく。しかし、その淡泊な白身は食用としてEUや日本で好まれ、湖畔の町にはナイルパーチを加工・輸出する一大産業が誕生する。しかしそこでは、資本主義の論理があまりにもむき出しのまま人々に襲いかかる──。新たな産業は地域社会に雇用を生み出し富をもたらした一方で、すさまじい格差を招き、町には売春、エイズ、ストリートチルドレン、ドラッグがあふれかえる。さらに、旧ソ連からやって来て大量の魚を積みEUへと空輸していく飛行機にも、果たして往路は空のままなのか、新たな疑惑も浮かび上がってくる…。本作は、工場経営者や輸送機のパイロット、彼らに群がる売春婦、廃棄される魚のアラを常食する地元民や、暴力や飢えに苦しみ粗悪なドラッグに手を染めるストリートチルドレンなど、グローバル経済システムに組み込まれた各階層の人々それぞれにスポットを当て、グローバリゼーションの縮図とも言えるこの町で繰り広げられている恐るべき日常を見つめていく。 一人の安易な行動が湖の生態系を激変させ、その周辺に住む人々の生活をも激変させました。 ナイルバーチという肉食の魚は、湖に住みついていた魚を食べてしまうから、普通なら駆除を考えるところやけど、ナイルバーチは淡白で美味しいって事で商売の道具として考えられるようになります。 この事によって周辺に住む人たちの生活は良くなりそうやけど、結局儲けにありつけるのは限られた人たちだけ。 その他の人たちの生活は想像を絶するような貧しさで、ウジがわいてる魚のアラを食べたりするぐらいなんですよ。 簡単に格差社会とは言えないぐらい酷い環境でした EUなどはこのナイルバーチの白身を空路で輸入したりしてるけど、どうもこの飛行機も怪しかったです。 飛行機で武器を密輸し、その帰りにナイルバーチを持って帰るって構図が見えてくるんですよ。 未だにこうやって堂々とアフリカに武器を持ち込んでる先進国がある事が信じれないけど事実なんですよね。 結局ヨーロッパ諸国はアフリカを食い物にしてるだけなんですよ。 ナイルバーチの利益は全部ヨーロッパに行き、現地の人たちは貧しいままっておかしいですよね。 ワニがいてる湖で命がけでナイルバーチを捕獲してる人たちに入ってくるお金って微々たるものなんでしょう。 そうそう日本人もこの人たちが捕獲してるナイルバーチを食べてるそうです。 飛行機に乗ってやってくるパイロット達は気晴らしに売春婦を相手にするらしいけど、この国ではエイズが大きな問題になってるのに、このパイロット達はそこまでの危険をおかしてまでも息抜きがしたいのかな。 とにもかくにもたった一種類の魚ナイルバーチがもたらす貧富を見事に描いていたと思います。 評価(3.3) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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