|
カテゴリ:海外文庫
文庫 606ページ 出版社 ソニーマガジンズ 発売日 2004年8月 ストーリーは、ニューオーリンズで娼婦が連続して惨殺された。首には何かで絞められた跡が残り、手は祈るように組まされた姿で…。一方、地元ラジオ局で悩み相談番組を担当する精神分析医サマンサは、“ジョン”と名乗る男からの執拗な脅迫電話に脅えていた―罪の報いを受けろ、と。次第にエスカレートするその異常な内容に、ついには警察も捜査に乗り出した。刑事は、9年前の美少女死亡事件との関連を調べるが、なかなか犯人にたどりつけない。そんな中、ハンサムでどこか謎めいた男タイは、サマンサに急速に接近してくるが…。 テンポもよく楽しめたのですが、謎解きの部分がミステリ好きな人を満足させるほどではなかったと思います。 だいたい本の半分ぐらいで犯人の目星はついてくるのですが、それでも次から次へと容疑者らしき人物の名前が出てくるのはちょっと退屈でした。 約600ページもあるにしては犯人に特に意外性がなく脇役の魅力もそれほど巧く表現されてるようには思えなかったです。 どうやら脇役の一人ベンツ刑事については次作で主役になってるみたいなので彼の過去が色々分かるんでしょうね。 主人公のサマンサはジョンという男から執拗な脅迫電話に怯えてるんですが、そのわりには無鉄砲な行動が多すぎます。 この無鉄砲さが読者をハラハラさせるのですが、怯えながら無鉄砲な行動をとる姿には矛盾を感じてしまうところもありました。 特に謎の隣人タイについてやけど、彼との関係はあまりにも軽率ですよ。 普通脅迫電話に怯えていたら、隣人とはいえもっと警戒するでしょうね。 いろいろ書いたけど、主人公をはじめ登場人物の軽妙なやりとりは見事でしたよ。 さすが本国で50冊以上の小説を書いてるだけの事はあります。 この本に関してはサイコサスペンスとラブロマンスを融合しようとしてイマイチ巧くいかなかったのかな。 だからこそ次作には期待したいです。 評価(3.4) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[海外文庫] カテゴリの最新記事
|
|