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カテゴリ:海外文庫
幼い姪を育てながらワシントンDCでかりそめの暮らしを送るCIA工作員エリン。ある朝、彼女は近所の公園でふとした光景に目をとめる。見事な手品で子供たちを魅了するアイスクリーム売りの男―その華麗な手さばきは、19年前に妹をさらった男そのものだった。数年後、妹は奇跡的に救出されたものの、今も深く心を閉ざしたまま何も語ろうとしない。同じ夜、例の公園で少女が姿を消したと知ったエリンは、不気味な連続誘拐犯“マジシャン”を追うFBI捜査官アレックと共に危険な狩りに乗り出すが、いつしか恐るべき陰謀のゲームに引き込まれてゆく…。 毎年、家族以外の人間にさらわれる58000人の子供のうち、約150人は深刻な、長期にわたる誘拐の犠牲者になるらしいです。 そのうち5%は生きて帰り、44%は殺される。 そして殺される子供のうち74%が誘拐から3時間以内に死んでると本書に書かれてました。 それだけ初動捜査が大事なのが誘拐事件です。 本書の主人公は19年前に自分が目を離した隙に妹を誘拐され心に傷を持ってるCIA工作員のエリン。 ある朝、彼女が目にした光景は公園で子供達に手品を見せてるアイスクリーム売りの男。 華麗な手さばきは19年前に妹をさらった男の動きと同じで、その男が妹を誘拐した男であると確信したエリンは単独でこの男を追う事になります。 一方、連続誘拐犯でマジシャンと呼ばれる男を追ってるFBI捜査官のアレック。 エリンが公園で目撃した情報を彼だけが直感で信じエリンに協力する事に。 しかしそれは想像を絶する巨大は敵との戦いの始まりでした。 前作【幼き逃亡者の祈り】と同じく、今回も犠牲になるのは子供達なんです。 私自身も娘を持つ親としての目線で読んだのですが、誘拐された子供達が助かってほしいと思いながらページをめくってました。 パトリシア・ルーインはスピーディな展開とよく練られたプロットが魅力です。 前作同様、本書も一気読みをしてしまいました。 一気読みって面白い小説やから出来る事で最高の誉め言葉でもありますね。 主人公のエリンの目線、そして誘拐された少年の目線、そしてマジシャンの目線で展開さえるので凄くスリリングですよ。 マジシャンが子供を誘拐する目的は衝撃的でした。 今の世の中、子供をこの目的のように扱う組織が存在してると思うと怖くなってきます。 最後の最後まで目の離せない展開で手に汗握るのは確実です。 かなりオススメの一冊となりました。 本書で登場したエリンとアレックが再び登場する続編がアメリカでは発売されてるので、日本でも早く翻訳されてほしいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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